扇沢を起点に種池山荘~針ノ木岳までの周回稜線歩きを満喫

P7230114北陸地方の梅雨あけが宣言され、いよいよ本格的な夏山がスタートします。先ずは以前から実施したかった「扇沢を起点とした周回コース」にチャレンジすることにします。情報によると12時間コースとのことで、充分な体力トレーニングが行えそうです。

12時間コースとなれば、やはりスタート時間は3時頃を想定。家を1時にはでなければなりません。睡眠4時間ほどで12時には起床しなければなりません。扇沢に2時45分頃に到着し、真っ暗な中での準備となりました。運よく柏原新道入口の少し上の無料駐車場に空きスペースがあり、無事に駐車することができましたが、本来は満車の可能性のある時期です。この時間帯に柏原新道を登っていく者は誰もいません。寂しく一人でのスタートとなりました。

3:12 柏原新道登山口を通過。しっかりと登山道が整備されていますので、浮石もほとんどありません。ヘッドライトで照らしながらの登行ですが、問題なくハイクすることができます。今回もトレランシューズでの山行でしたが、ザックが7kgほどですので、かえって靴底の適度な柔らかさが、歩く速さとマッチしており歩きやすさを感じます。一人でのハイクは、少々薄気味悪さを感じ、鈴をぶら下げ音で寂しさを紛らわすことにしました。4:00を過ぎると薄明るくなり、谷を隔てて岩小屋沢岳から鳴沢岳の稜線が見えてきました。4:55頃には、針ノ木岳が朝焼けで赤く染まり始めました。今日の最終ピークが針ノ木岳ですが、相当遠くに感じます。

5:25 種池山荘に到着。登山者が山荘の前で、雲海が広がる山並みを楽しんでいます。そんな彼らを横目に、エネルギー補給をしてすぐにスタート。ここからの登山道は未知の領域なので、ワクワクし始めました。岩小屋沢岳までは、日当たりのよい南側を歩くことが多く、お花畑が繋がります。ハクサンフウロ・ヨツバシオガマ・ウサギギク・ミヤマキンホウゲ・モミジカラマツ・チングルマ等見覚えある花たちが今を盛りと咲き乱れていました。

6:37 岩小屋沢岳に到着。山頂からは剣岳が見え始めます。この角度からの剣岳は初めてで、源次郎尾根・長次郎雪渓を正面から見る角度になります。剣岳を立山・大日岳・猫又山・白馬岳・岩小屋沢岳からと、四方から拝んだことになります。(どこから見てもはやり素晴らしい) 山頂からの登山道は榛松とシャクナゲが繋がっており、シャクナゲは今が盛りと花を咲かせ楽しませてくれました。まさしく「シャクナゲ街道」といった感じでしょうか。

7:02 新越乗越山荘に到着。こまめにエネルギー補給を心がけ、おにぎりとパンを食べます。高校生の山岳部がスタートしようとしていました。まだまだこのように山岳部の活動を行っている高校があることを嬉しく思いましす。私の出身高校にも山岳部があり、30キロの背負子をかついで、階段の昇り降りを繰り返していたり、グランデの片隅でテントを張ったりと活動をしていました。私達の1年後輩の女子は全国高校総体山岳競技で3位という成績を残しています。そんなことを思い出しながら彼らを見送りました。(その頃は私はまったく山に興味がなく、陸上競技バカでした。)
鳴沢岳までは結構な急勾配となっていますので、荷物の重い高校生(深谷商業高校)にはすぐに追いついてしまいます。追い抜きざまに励ましの言葉をかけてやりました。鳴沢岳の山頂までは、常に剣岳が目線に入ってきます。ふと下を見るとシャクナゲの花たちがあります。稜線歩きの楽しさを改めて感じることができました。

7:35 鳴沢岳山頂に到着。針ノ木岳までの山並みの素晴らしさにも感動。次は赤沢岳を目指します。ここも榛松とシャクナゲの登山道を楽しくハイクすることができました。

8:17 赤沢岳に到着。ここからスバリ岳までが少々長くなり、登山道も険しくなっていくようで、気持ちを引き締めスタートします。針ノ木雪渓側から雲がわき上がってきました。午後からは、やはりガスが湧き上がってきそうなので、自然にスピードが上がってしまいます。スバリ岳までの下りは、植生も変化し、チシマギキョウ・イワツメクサ・ミヤマダイコンソウ等がでてきます。(シャクナゲはここも盛りです。)
9:15 鞍部を通過。ここからは辛そうな急登となるのですが、ガシガシ攻めていくことができました。

9:43 スバリ岳山頂に到着。黒四ダムが綺麗に見えてきました。エネルギーを補給し、針ノ木岳への最後の踏ん張りに備えます。ここまで6時間少々経過していますが、あまり疲労感がありません。こまめなエネルギー補給と水分補給(今日は4L持ってきています。)を心がけたことや、上り下りが適度に入っていたおかげかもしれません。足元が軽いのも要因の一つとなっていそうです。10分ほどの滞在で最後の針ノ木岳を目指します。下ってすぐにコマクサを発見。久々のミヤマオダマキにも会うことができました。

10:29 針ノ木岳に到着。山頂は二度目になります。前回は2011年8月29日に来ています。その時に山頂でご一緒した薬剤師さんに、高山植物の花の名前を沢山教えてもらい、こまめに花の名前を調べ始めたきっかけとなっています。そんなことを山頂で思い出しながら、持ってきた「濃いしぼりグレープフルーツ」をいただきました。休憩もそこそこに針ノ木小屋へ。途中、ミヤマクワガタ・イワギキョウにも出会うことができました。(花に毛が有るのがチシマギキョウ、無いのがイワギキョウ。下を向くのがチシマギキョウ、上を向くのがイワギキョウだったような。)

小屋に到着する頃には、ガスで周りは何も見えない状態です。この後は、針ノ木雪渓を下るのみ。小屋の写真を撮って下りはじめると、カラコルムの御一行に遭遇。毎年何処かでお会いする方々です。今回は会長さんにはお会いできませんでした。もしかすると剣岳かもしれません。ご挨拶してガスの中を下っていきます。全体に登山道は荒れているようですが、苦労して整備がされているようです。要所要所の道案内に鯉のぼりがでてきます。

12:12 雪渓を下っていきます。この雪渓がもっと利用できれば早いのですが、今年は雪が少なかったこともあり、すぐに横の登山道を下ることになります。高山植物も増えてきました。ミヤマダイモンジソウ・ミヤマシシウドの群生・オオヒョウタンボク・レイジンソウ・トリカブト・ホタルブクロ・オトギリソウ・オミナエシ・ソバナ・アザミ・ミヤママコナ・グガイソウ等、今年出会っていない花たちとの再会がありました。この下りがだらだらと長いのです。下っても下っても標高がなかなか下がってくれません。

12:57 大沢小屋を通過。もうすぐターミナルと思ってから1時間は下らなければなりませんでした。ただ沢山の花たちとの出会いは、辛さを忘れさせてくれます。ターミナルが近づくと今までにないタマガワホトトギスの群生に出会いました。

今回は、12時間以上の覚悟を持っての山行でしたが、前半の稜線歩きが気温の上昇がなかったことや、思った以上の急勾配がなかったことなどから、比較的快適な山行を楽しめたようです。(消費した水は約2リットルのみ。いつもより少ない) 今回も沢山の花たちに出会い、剣岳の新たな顔を見ることができた充実の山行となりました。

レッドバロン単独
280723扇沢~種池山荘~岩小谷小屋~針ノ木岳~扇沢往路:7時間23分  針ノ木滞在:15分  復路:3時間16分  計:10時間54分

P72300033:06 駐車場スタート

P72300063:12 柏原新道登山口を通過

P7230014しっかり登山道の情報が書かれています。ありがたい。

P7230022岩小屋沢岳あたりの稜線が見えてきました。

P7230024整備された登山道

P7230026まるで石畳状態

P7230027看板も完備

P7230030これはカラマツソウです。

P72300314:55 今日の目的地 針ノ木岳、右がスバリ岳が朝焼けに染まります。

P7230033今回がアザミがいません。

P7230035ミヤマキンホウゲが綺麗に咲いています。

P7230037種池山荘が見えてきました。

P7230038恒例のハクサンフウロ 何回見ても写真を撮りたくなります。

P7230039ウサギギク

P7230040

P72300425:25 種池山荘到着

P7230045おにぎりとパンを食べてすぐにスタート。

P7230048素晴らしお花畑の登山道

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P7230054テガタチドリ

P7230056ヨツバシオガマ

P7230058これはモミジカラマツ 葉っぱで判断。

P7230059チングルマの群生

P7230062今年はなかなか出会えなかった マイヅルソウ

P7230063ここも整備された登山道

P7230065ハクサンシャクナゲが花盛り

P7230069剣岳が見えてきました。長次郎雪渓 八峰も。

P7230072反対側は 蓮華岳方面

P7230074バックは爺が岳

P7230078岩小屋沢岳への最後の登り

P72300826:37 岩小屋沢岳 を通過します。

P7230084イワツメクサ

P7230085岩小屋沢岳山頂から 今から行く稜線。まだまだ先は長そう。

P7230087

P72300897:02 新越乗越山荘に到着

P7230091しっかりエネルギー補給をします。

P7230095深谷商業高校山岳部 長野の伝統校です。 ガンバ!ザックは私の3倍はあるでしょうか。

P7230096鳴沢岳への急登に入ります。

P72301017:35 鳴沢岳を通過します。 気温が熱く感じないのはアンダーアーマーのウエアーのおかげかもしれません。特に白はいいかも。かいた汗がすぐに気化して体温を下げてくれます。

P7230103さあ 次は赤沢岳です。ゴ―!

P7230108毛が有るのでチシマギキョウ

P7230110鳴沢岳方面を振り返ってみます。

P7230111赤沢岳への最後の登り

P72301128:17 赤沢岳を通過します。

P7230114スバリ岳までは距離があります。ガンバ!

P7230123ここにもシャクナゲが。少々盛りを過ぎた感じ。

P7230124イワツメクサ

P7230133スバリ岳への登り。 急に見えますが早月尾根と比べると可愛いものでした。

P7230134鞍部を通過します。

P7230136赤沢岳を振り返ります。

P72301429:43 スバリ岳に到着。

P7230144

P7230146ここでしっかりエネルギー補給。

P7230148スタート後 コマクサに遭遇

P7230150鞍部に到着。 最後の登りです。

P7230162珍しい ミヤマオダマキに遭遇

P723016310:29 針ノ木岳に到着 2度目

P7230168ここまで温存してきた「濃いしぼりグレープフルーツ」美味しくいただきました。

P7230170前の人がしゃがんで何かしています。 花の写真を撮っていました。

P7230173ミヤマクワガタでした。

P7230178これはイワギキョウです。 上を向いて自信ありげ。

P723018011:10針ノ木小屋を通過します。ガスが濃くなってきました。

P7230181下ったところで「カラコルムの方々」と遭遇。いつもフェイスブック見てます。

P7230182整備の大変さが伝わる登山道です。

P7230184ミヤマダイモンジソウ

P7230185ミヤマゼンコ ?  ミヤマシシウド? わかりません。

P7230187オオヒョウタンボク

P7230192レイジンソウ

P7230202シナノオトギリ

P7230210オミナエシ

P7230211トリカブト

P7230212ホタルブクロ

P7230219道案内は鯉のぼりで。

P7230221雪渓にも道しるべ。

P7230224手作り満載の橋。でもありがたいです。

P7230229ミヤマシシウドの群生だと思うのですが。

P7230233〇○アザミ 何アザミかわかりません。

P7230242シモツケソウ この花の色合いに思わずシャッターを切りました。鮮やかです。

P723024512:57 大沢小屋を通過

P7230253これはソバナです。 似た花にハクサンシャジン(ツリガネニンジン)があります。

P7230255グガイソウ 八方尾根によく咲いています。

P7230257登山口にでてきました。 ここからはバスの道路と何度も交差します。

P723026314:00 駐車場に戻ってきました。10時間54分の山行でした。種池山荘から針ノ木岳までは本当に素晴らし稜線歩きとなりました。天候・気温・眺めがうまくかみ合い、スピーディーでありながらも楽しめたと思います。またまた人は少ないのですが、高山植物の最盛期は一気に過ぎ去ってしまうようです。特にシャクナゲは1週間前が一番よかったのではないでしょうか。もう散り始めている花もありました。このコースをシャクナゲ街道と名付けたくなるほどでした。

 


“扇沢を起点に種池山荘~針ノ木岳までの周回稜線歩きを満喫” への2件の返信

  1. 気持ちいい稜線歩きでしたね。
    昼近くからのガスは夏場はやむを得ないのかもしれません。
    ルート上に小屋が多いですが、水を無料で調達できる小屋はありませんでしたか?
    私もこの周回はやりたい山行リストにのせてまして、参考にさせてください。

    1. 水の無料は確認できませんでした。最初から4Lかついでいきました。役に立たずすみません。この日は気温の上昇が少なく、結局2Lぐらいしか飲まなかったようです。アンダーアーマーのウエアーのおかげかもしれません。体温を下げる効果があるウエアーです。今度白山案内してください。この夏のコラボお願いします。どこでもいいです。

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