北方稜線「三ノ窓」経由で「剱岳」チャレンジ

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三ノ窓に向かって真っすぐ

土曜日の夕方に天気予報が変わり、昼過ぎから晴れマークが付いています。ここは、何処か山へ行くしかありません。天狗蔵君に連絡したところ、一つ返事でOK。夏山シーズンに入ったばかりなので、近くの「毛勝山西北尾根」あたりを提案。最後の斜面に雪が残っている可能性があるので、アイゼンも準備することに。
そんな話をして、電話を切ったところ、またまた天狗蔵君から電話が。
「梅さんから、三ノ窓経由で剱岳はどう。」という連絡が。大ちゃんからのお誘いのようです。
このコースは、彼ら3人(大ちゃん・梅さん・天狗蔵くん)が、昨年もチャレンジしています。
三ノ窓は、昨年の北方稜線の山行で通過しました。池谷ガリーを下りたところに有り、テントが張れるスペースもあります。ここをベースに八ッ峰にチャレンジするクライマーの聖地となっています。(昨年は、女性クライマー3人に出会っています。)
池ノ谷へは、白萩川の雷岩付近で徒渉し、小窓尾根に取り付きます。急登を1時間かけてハイク、1600m地点で池ノ谷側に下ります。ここまでの登山道は、地図上にはありません。ここも地元の山を愛する方々の手で整備され、支えられているコースです。


今回、雷岩の下流で渡渉を行いました。前日の降雨により、白萩川は増水しています。
大ちゃんは、登山靴を抜いて冷たい水に挑んで渡渉。私たち三人は、流木を利用してジャンプで渡渉に成功です。
登山道には石碑やペンキのマークはありますが、バリエーションルートであることには間違いありません。
有名なバリエーションルートなのですが、そこには、「体力」「経験」「装備」等の条件が必要となります。
約3時間、池ノ谷の雪渓に着いたころには、体力は相当奪われていました。渡渉後の急登と気温の上昇が重なったからのようです。池ノ谷からが本格的な登山の始まりです。まずは、アイゼンを装着し三ノ窓を目指します。雪渓のハイクは、毛勝山、南又谷と経験してきましたが、迫力が違います。2時間40分ほどで三ノ窓に到着です。到着と同時にガスが立ち込めてしまいました。
ここで小休止。10時に池ノ谷ガリーに挑んでいきます。ここも道ではありません。石に体重をかけると崩れてしまいます。慎重にハイクを進めなければなりません。
後半の1/3には雪が残っていたのが救いとなり、アイゼンをつけて直登することができました。鞍部に到着した頃には、周りはガスの中。昨年の体験を活かし、正規ルートをたどることに。
最初のロッククライムも難なくクリアー。尾根づたいにテントが張れる大岩に到着。まだまだ雪が沢山あります。概ね尾根沿いに進むことができるのですが、岩棚のバンドで苦労することに。足場が崩れスリングに頼らなければならずハラハラドキドキ、スリリングな通過となりました。その後は、雪と岩の境目を利用するなどしてうまく進むことができました。
「長次郎の頭」まで来ると、私と大ちゃんは、左側から下降。梅さんと天狗蔵君は右側から下降。両方から通過することができました。このコースを通過するのにはやはり経験が必要です。安易な気持ちで通過できるコースではなさそうです。その後は、稜線づたいに山頂を目指します。
約8時間かけて到着した山頂は、風もなく暖かな状態です。まったりとした時間はすぐに過ぎていきます。エネルギーを補給し、12時35分に早月尾根を目指して出発です。早月小屋までに、雪はたくさん残っていました。急斜面に雪が張り付いている場所がいくつも出てきます。アイゼンを付け下りますが、すぐに岩だけの道になります。我慢してアイゼンのまま下るのですが、爪がひっかかるのでアイゼンを外します。また少し下るとアイゼンが必要な斜面に。
こんな状態で、アイゼンを付けたり外したりを、4~5回繰り返しました。(大幅に時間のロス)
2時間20分かけてようやく早月小屋に到着です。早月小屋は来週のオープンの準備の真っ最中でした。
ここから忍耐の下山となりました。15時、早月小屋を出発。天狗蔵君と大ちゃんは、下りのスペシャリストです。私と梅さんは、2時間30分かけて下るこのコースを、彼らは1時30分少々で下ってしまいます。(私達はエネルギー切れです。)
そのバランス感覚と筋力に脱帽するしかありません。雨が降って湿った石や木の根っこ等、滑る要素はいたるところにあるのです。それでなくても日本で3本の指に入る急こう配の山道です。
最後は、私と梅さんで仲良くゴール。天狗蔵君と大ちゃんは車を登山口にもってきて待っていてくれました。
この1時間の差は、どうにかしたいのですが無理をすると、大けがに繋がる恐れがあります。
ともあれ、久々に4人が集合。夏山シーズンスタート(前菜)で、メインディッシュを食べてしまった感じです。
私にとって2回目の北方稜線です。剱岳~三ノ窓までのコースを頭の中に再認識することができた、充実の山行となりました。
それにしても、前日に山行を決定、よく行ったものです。ただ、このコースを行くとなれば、池ノ谷の雪渓が一番落ち着いている今の時期がベストなのかもしれません。
大迫力の雪渓に魅了されながらの雪渓ハイクは感動ものでした。また一つ剣岳を違ったルートで経験。次は源次郎尾根からのアタックでしょうか。

メンバー:レッドバロン・天狗蔵君・梅さん・大ちゃん
馬場島~三の窓~剣岳奇跡H26.7.6
馬場島~三ノ窓 5時間41分 三ノ窓休憩 20分 三ノ窓~剱岳~馬場島 7時間31分  計13時間32分

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3:59 暗がりの中をスタート。

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4:17 池ノ谷への高巻きコース入口(白萩川最終堰堤)を通過。

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ここからが本格的な登山の開始。

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登山道といっても草木が生い茂っているところが至る所に。昨日の雨でびしょびしょになりながら進みます。

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白萩川に出て、雷岩を目指します。

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雷岩へ行く手前で渡渉することに。天狗蔵君が指差す所を戻って通過。

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流木を利用して通過しましたが、水量がこれ以上だと渡渉が困難になる恐れもあります。

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石にマークが付いているので、安心して進むことができます。

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石碑も立っていました。ここから1時間の急勾配が始まります。

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後ろからガンガン攻めてくる大ちゃん。このグループ一番弱い私にペースを合わせてくれません。トラの穴状態。

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約1600m地点で小休止。ここから池ノ谷めがけて下ります。ところどころにロープも張ってあります。

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天狗蔵君の赤いヘルメットが目印になります。雪渓が見えてきました。

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登山道といっても、けもの道に毛が生えたようなものです。

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「キヌガサソウ」が最盛期です。

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池ノ谷です。ここをハイクしていきます。

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6:58 アイゼンを装着しスタートです。

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先は長い。ここまでで体力は相当奪われているのですが、頑張るしかありません。

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今日も快調な二人。前半は梅さんが先陣を務めます。

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雪渓は、硬く絞まってハイクし易く、徐々に体力も戻ってきました。アミノバイタル効果もでたようです。

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7:40 右俣との分岐点が見えてきました。ここからは左俣に入っていきます。

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左俣を進むにつれ、両側の斜面がせり出してきます。やはり迫力が違います。

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三ノ窓に向かって真っすぐ雪渓が伸びています。ここからまだまだ1時間はかかるのでしょうか。

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斜度もあるため、ジグを切りながらハイクしていきます。

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三ノ窓にガスがかかってきました。天候の悪化が心配です。

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池の谷最後の急斜面を登ります。谷にガスがかかってきました。

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9:40 三ノ窓に到着です。エネルギー補給をしながら休憩。ここでハイドレーションの中に雪を詰め水分確保を図りました。
これが大正解です。馬場島まで水分を切らさずにすみました。

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10:00 三ノ窓を出発。ガスがひどくなってきました。

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足場の悪い池ノ谷ガリーを進みます。ガラガラ崩れるので4人は少しずつバラけてハイクすることに。

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ハイクする人の真下にいかないよう注意して進みます。目の前の大きな石が崩れないことを祈るのみ。

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後半、雪がでてきてアイゼンでハイク。こちらの方が安心です。

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10:50 鞍部に到着です。池ノ谷ガリーを50分でクリアーし、ここから目の前のロッククライムに挑みます。 

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梅さんも快調にハイクしてきます。

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ガスが一瞬晴れ、目の前の八ツ峰が姿を現してくれました。

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岩の稜線を慎重に進みます。

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一番緊張した、岩棚です。スリングがぶら下がっていますが、昨年は、それに頼らず通過できたはずです。足場が崩れていたのかもしれません。

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できるだけ長次郎の谷側を通過するよう心がけます。時には、右側を通過しなければならないところも出てきますが、雪と岩の間の通路を探して進みます。

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11:45 長次郎の頭を通過。梅さんは右側のコースを下りてきました。私は、左側から。

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鞍部からは、稜線上を山頂に向かうのみ。もう少しで山頂ですが、エネルギーが切れてきました。

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山頂もガスが抜けていないようです。剣岳に来て初めて景色を楽しむことができないようです。

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12:14 山頂到着。私たち4人で独占。 優越感が湧き上がってきました。

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満足そうな顔

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エネルギー補給をして、まったりしていましたが、帰りのことを考えるとそう永くいられません。

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12:35 早月尾根に向かって出発です。

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急斜面に雪がついています。アイゼンを付けたり外したりしながら下るしかありません。

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アイゼンを付けたまま、鎖場を通過しなければならない場合も出てきます。引っかからないよう注意して進みます。

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イワウメ 今回花の写真が全体にぼけてしまい大失敗です。センサーが湿気で曇ってしまったようです。

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クロユリが最盛期。 沢山見ることができました。

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サンリンソウもきれいに咲いていました。

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キジムシロも最盛期です。

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雪の斜面をガンガン下ります。

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14:50 早月小屋に到着です。梅さんがエネルギー切れ。ここでアミノバイタルを飲んで元気になりました。

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15:00 早月小屋出発。3人は弾丸のように下ってしまい、私はマイペースで下ります。ここで怪我はしたくありません。
雨も降ってきたので、雨合羽を着用しました。

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1800m地点通過。

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1400m地点通過。

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残り1km地点で梅さんに追いつきました。梅さんもエネルギー切れのようです。

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はやはり石碑の言葉のごとく「試練と憧れ」の場でした。

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17:31 馬場島到着です。ヘロヘロの二人を天狗蔵君に撮ってもらいました。身体はボロボロですが、心は満足感でいっぱいです。
富山県で生活し、登山を始めると最終的には剱岳に魅了されてしまう人は多いのでは。
遠くから眺めるのも良いのですが、ここ最近はやはり登っての満足感が大きいようです。別山尾根からの正規ルートはもちろんのこと、早月尾根からの剱岳・池ノ谷経由での剱岳・早月尾根から剱岳を経て北方稜線の小窓までと、白萩川をつめ大窓の頭まで登りました。残すは、池平山です。ここを結べば北方稜線完結となります。今年の夏の何処かで達成したいものです。そのためにもしっかりトレーニングを積まねばなりません。
こんなにすばらしい山が近くにあることに今さらながら感謝しなければならないようです。
剱岳 ばんざ~~~い。

“北方稜線「三ノ窓」経由で「剱岳」チャレンジ” への3件の返信

  1. SECRET: 0
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    濃厚な13時間山行お疲れ様でした。
    岩場のトラバースしびれますね~
    写真から迫力伝わってきました。
    7月に入っても上部の残雪がまだまだ多いあたり流石剱です。
    メインディシュの後に何が出てくるのか楽しみにしてます(^ω^)

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ほんと困ってしまいます。北方稜線は、一番いいところで取っておきたかったのに行ってしまいました。
    この後の山行で満足するのか心配になります。
    それにしても、スリルとサスペンスの山行でした。今年は、大窓から池平山を経由し、池の平小屋で一泊、小窓を経由して剣岳へのコースを考えています。一緒に行きますか。

  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    会心の山行、ご苦労様でした。やはり剣は格別ですね。ガーリーは怖いけれど・・・

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