10月5日の北日本新聞の一面に、「称名渓谷50年ぶり調査」の記事が掲載されました。
33面には、「人寄せ付けぬ美しさ」としてそのルポも掲載されています。
今回、「富山県自然保護協会50周年」と「北日本新聞社の創刊130周年」を記念し、調査が実施されたものです。
なぜ、私が同行するに至ったか。
県自然保護協会専務理事の「本多省三」先生とは、職場で大変お世話になっており、黒部市在中ということもあって以前から交流させていただいていました。
先生は、生物の教師として、永年富山県の生物の教師の先頭に立ってフィールドワーク等の研修や教育の現場で自然保護の重要性を伝えてこられた富山を代表する生物の先生です。
そんな先生に今回サポート役をお願いされたのです。
同行のメンバーは、私達の他に5名。
富山県山岳連盟「松本睦男」会長、富山山想会からは、藤村宏幸さん、
北日本新聞社記者 稲垣重徳さん、カメラマン 野尻義明さんと ガイドの富山広治さんの計7名での調査となりました。
7:46 称名駐車場を出発。会長さんを先頭にいつもよりゆっくりとしたペースでスタートです。
新聞記者・カメラマンは登山の素人、本多先生もご高齢です。松本会長さんの絶妙なペース配分で無理せずハイクしていきます。
ガイドの「富山」さんは、富山でも5本の指に入るガイドです。大きなリュックに登攀道具をたっぷり入れていますが、ケロリとした顔でハイクしていきます。その強健な身体は流石といった感じでした。
10:30大日平山荘に到着。食事を済ませ、いざ称名渓谷の探索に向かいます。
今から45年前には、弥陀ヶ原と大日平を結ぶ、旧道がありました。その頃の山の地図には載っているようです。
大日平山荘HPへ
45年前の水害で、称名川にかかっていた吊り橋(大日平山荘主人の私設)が流され、それ以来その旧道は使われなくなりました。人の行ききがなくなれば、自然の姿に戻っていきます。
今回、古い地図を頼りにGPSにポイントを入れ、極力旧道の痕跡を探しながら下ることにしました。
11:28 木道から笹藪に入ります。最初のポイントに向かって真っすぐにコース取りができました。
ここからが急斜面入口といった所の木に、赤いテープが巻かれています。
もしかすると、誰かが入っているのかも知れません。
人の背丈以上ある笹藪をかき分け、笹にぶら下がり、GPSで位置を確認しながら急斜面を下っていきます。
「少し左に行きすぎ、もう少し右の尾根に」
途中途中、ピンクのテープを巻きながら、帰りのルート取りを考えての藪こぎです。10m離れると人が見えなくなります。
声をかけながら、猛烈な笹藪を下っていきます。
12:58 笹藪から細い谷筋に出ました。視界が一気に開け、対岸の紅葉が目に飛び込んできます。
ここからは、滑る岩の下りとなります。まだ笹藪よりましです。称名川も見えてきました。残すところ標高差100m余りの下りでしょうか。この谷筋もガイドさんがザイルを出して、新聞記者・カメラマンン・本多先生をつり下げる場面もありました。
しかし、目的の旧道の跡を見つけることはなかなかできません。
とにかく、河原へ降り立つことに。
13:38 河原に降り立ちます。目の前には、なかなか目にすることのできない称名渓谷の紅葉風景が出迎えてくれました。
「こんな風景を多くの方々にも見てもらいたい。」
「富山の雄大な自然を多くの方に理解してもらい、素晴らしい自然を守る機運を高めてもらいたい。」
「素晴らしい自然を、日本の財産としてもらいたい。」
そんな思いがふつふつと沸き上がってきます。
吊り橋の痕跡は、発見することができず、この辺りだろうと予測するのみでした。
カメラマンの要望にこたえて何度もポーズをするにつれ、モデルになった気分にもなってきます。
今回の調査も、観光立県富山としての推進の部分と、自然保護の見地からその両方のバランスをいかに図っていくかが課題なのではないでしょうか。(あくまで私の個人意見)
14:51調査終了。来た道(藪)を帰らなければなりません。谷筋までは順調にハイクができましたが、やはり笹藪に入ると、腕力で笹にぶら下がり、身体を引き上げなければなりません。
こうなると、ご高齢の本多先生の体が悲鳴を上げ出します。足が滑って上がれなくなってきました。
持ってきたザイルを身体に装着してもらい、私が先に登って7mほど行ったところで引き上げる。これを繰り返しながらのハイクとなりました。
ザイルで引かれることで、重さが分散されハイクすることが可能となります。この方法で約1時間。
無事、急斜面笹藪をクリアー。(私がサポート役で参加した甲斐があったようです。)
ただ、もう少ししっかりしたザイルワークを覚えなければなりません。反省しきりです。
17:22 無事山荘に到着。全員泥だらけ。
山荘に着くと直ぐ食事の時間でした。新聞記者は、明日の朝刊に原稿を載せるのに食事もそこそこにPCに向かっています。カメラマンも写真をPCに取り込み、会社にベストの写真を送るのに余念がありません。
弥陀ヶ原・大日平は、ラムサール条約の指定を受けました。このことで池塘を中心とした自然環境をしっかり維持・管理していくことが求めれます。
この二カ所を結ぶ、一番の近道が今回の旧道となるのです。旧道が復活することで、付加価値が付き、また多くの登山者が訪れるようになるのかもしれません。
今回の調査が、これからの富山の自然観光の一歩になっている、そんな気がする意義ある山行となりました。

2日目は、天候悪化も予想され、早く帰るのみ。

小屋から称名渓谷までの細かな軌跡

7:46 全員集合いざ出発

8:01 登山口通過 会長さんが先頭でペースを造ってくれました。

称名滝より下は、まだ紅葉は早いようです。

8:52 猿が馬場 小休止

崩落現場の工事はまだ続いています。相当な急斜面

オオカメノキの赤い実がなっています

9:25 牛ノ首通過 紅葉がきれいになってきました。


10:30 大日平小屋に到着 食事を済ませ 準備に取り掛かります。記録をしっかりとる記者さん

11:25 いざ出発

11:28 笹藪に突入


GPSを頼りに前に進むのみ

樹木につかまり、後ろ向きで降りています。

笹をかき分け、急斜面を下りていきます。

記者さんをガイドの富山さんが上でサポートしています。

笹藪から谷筋に出て、目の前の景色に思わず目を見張る稲垣記者さん

13:10 谷筋を下っていきます。藪よりよっぽどまし

よくこんな谷筋を降りて、岩魚を釣りに行きました。私にとっては何の問題もありません。

下ってきた谷筋。上の記者さん達

河原が見えてきました。ここに少々急な斜面がでてきます。
ガイドさんは、ここで3人をザイルで下したようです。

対岸の紅葉をバックに、会長さんと藤村さん。

「タテヤマウツボグサ」がきれいに咲いています。

13:38 河原に到着 素晴らしい渓谷が目に飛び込んできます。


藤村さんも到着。

調査開始。旧道の痕跡を調べますが、見つかりません。45年の月日がたっていますので完全に自然に戻っているようです。

カメラマンの野尻さんも、ベストショットタイミングをはかっています。ガスがでてきました。

14:51 ハイク開始。谷筋は順調です。

本多先生のリュックを私のリュックの中に。 空身でのハイクをお願いしました。

ザイルを身体に巻いてもらい、引き上げながらのハイクとなりました。

17:13 もうすぐ木道との合流点です。

本多先生もここまでくれば一安心です。

17:18 木道合流

17:22 大日平小屋到着。「ああ、楽しかった。」といった顔

即 夕食でした。 お腹ぺこぺこです。

早朝の大日岳 曇っているためか色がはっきりしません。

不動滝を見に行きます。小屋のすぐ裏が展望台。

奥の滝が「不動滝」 河原の右側に赤く紅葉した木が見えますが、昨日あの辺りまで行ったはずです。

左のピークが2023m地点 いい色に紅葉しています。

7:12 小屋を出発。雨が来ないうちに下山することに。



8:09 牛ノ首通過

9:10 途中 雨に降られながらも到着

9:32 早々と駐車場 全員で反省会を持ち、解散となりました。

1面の記事

33面の記事
今回の調査にどのような意味があるのか。
ラムサール条約に指定されたということは、世界的に認められたということです。この調査が今後どのようになっていくか、私なりに見守っていきたいと考えます。
そして本多先生・松本会長をはじめ、関わってこられた方々の情熱に感銘を受けました。
何処かで、誰かが世の中を動かし、「自然の保護と観光の両立」に熱く動き回っておられることを知りました。そんな方々に敬意を表したいと思います。



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調査、お疲れ様でした。マンゾクで、今回の山行は非公開かも?とのことだったので、ブログ・新聞記事を見てびっくりしました。マンゾクでは、ザイルワークの大切さの話題も出ました。自分は、まだまだそんなレベルではありませんが…
また、調査が継続されて、旧のルートが発見されるといいですね。先週、大日に行ったので、何か不思議な感じもしますね。
富山の魅力、たくさんの人に知ってほしいと思います。
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貴重な体験をされ、羨ましい限りです。
称名川。。。美しいですね^ ^
旧道が復活することはあるのでしょうか。考えるとワクワクします。
再び登山道を切り拓く事があれば、微力ながらも作業に加わりたいものです^ ^
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まさか記事が翌日に掲載予定だったとは知りませんでした。なのでブログも書かせてもらいました。本当にすごい藪こぎでした。とてもいい経験をさせてもらったようです。
自然を相手に楽しませてもらっている我々の背景にある部分をのぞかせてもらった気がします。
高い見識をもって取り組んでおられる方々を知り、一層アウトドアースポーツに大きな価値があるように感じてきました。
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お疲れ様でした
GPSファイル感謝します。
今後とも宜しくです