「障害者スキー」のサポートで粟巣野スキー場へ 視覚障害者用アシストバーを使用しての指導を体験

悪天候の中、粟巣野スキー場で視覚障害者スキーのサポートを経験。アシストバーを使ってスキー指導を行った。初めての経験に戸惑いながらも、回転方向の指示を出しながら滑降。視覚障害者の方は、「久々にたくさん滑った。」と大満足。私にもいい経験となった。午後からは、チェアースキーのレジェンド高村君と久々にコラボ。リレハンメル・パラリンピック銅メダルの彼の滑りも健在。

今日は、朝から気温が上昇。スキー場はあいにくの雨模様。それでもチェアースキーに取り組む方や、視覚障害者スキーの方、ボランティアの方々が集まった。

今シーズン。視覚障害者の方から、アシストバー制作の依頼があった。私の勤務先は現在「富山県障害者スポーツ協会」という関係から、どうにかして要望に応えたいと、マンゾクスポーツにお話をさせてもらった。いつもお世話になっている店長さんは、快く制作に協力していただくことができた。

ネットに公開されていた写真

このアシストバーは、市販されていない。ネットで調べたところ、写真が一枚出てきたのみだった。視覚障害者スキーに10年以上取り組んでこられた方からの話を頭の中で膨らませ、ネットの写真とダブらせながらイメージ図を作ってもらった。

イメージ図 ↓

マンゾクスポーツ 店長作成 イメージ図

二人で悩んだのは、バーの長さだ。前に介助者がくることになり、スキー板のテールの長さがある。救助者は後ろになり、トップ側のスキーが前に出てくる。そう考えると、スキー1本分の長さ以上は必要と考えた。今はほとんどがカービングスキーとなり、長さは160cm~170cmといったところを想定した。アシストバーが長すぎると、持ち運びの不便さやリフト乗車時の取り回しの悪さが問題となる。そこで200mを想定した。

救助者が、転倒したときに安全に転ぶことができることも考慮。グリップを自分で握っているだけにした。その反面、介助者は、アシストポールをしっかりと保持しなければならない。ここで店長さんからの提案で、肘のところで吊り下げる形のベルトを装着することにしてもらった。(これが大正解)

ポールの素材も店長さんがホームセンターを回って、加工しやすく丈夫な材料を見つけてもらった。その材料は下記にPDFで紹介しておく。

アシストバー材料一覧・工程・・・PDF

完成したアシストバーを持ったところ、そこそこ重量がある。その重量が気になったが、実際にスキー場で前後で持つと、ほとんど負担は感じなかった。

私にとっても初めてアシストバーを使ってスキー指導。その方法について自分なりに工夫してみた。

ターン方向を大きな声で伝えながら、その反対側のアシストバーを前に出していく。右にターンするときは「右・・・。」と大きく声をかけ、左のアシストバーを右方向に伸ばしていく。この操作により、後ろの救助者は、どちらの方向にターンするか、声とアシストバーの動きの二つから介助者の動きを読み取り、自分のスキーを操作して同調して滑っていく。止まるときは、「止まりま・・・す。」と声をかけながらゆっくりとスピードを落としていく。

いろいろ工夫しながらも、回数を重ねる間に、二人の呼吸があって楽しい滑降ができるようになった。救助者の方からは「久々にたくさん滑って気持ちよかった。」といった喜びの声を聴くことができた。

お昼を食べてからは、チェアースキーのレジェンドと楽しく滑降を行うことができた。40年前、同じ年の彼とは、基礎スキーのSAJ準指導員取得が同期。最短で指導員取得も同期だった。彼は、インストラクターを目指し、冬は常勤でスキー学校の講師を務めていた。私は、土・日(土曜日は午後から)しかスキーが滑れず、技術の差はどんどんと広がった。それでも私の中では勝手にライバルと思っていた。スキー技術の向上の中には、目標となる身近なスキーヤーが必要と考える。彼はそんな存在だった。

数年後には、彼は富山県スキー技術選手権大会で優勝。全日本スキー技術選手権に出場するまでに成長していた。私の方は、一向に上達しないままだった。スキーに対する情熱の差だったといえば簡単だが、環境も大きな要素となっていた。

そんなことを思い出しながら、充実の滑降ができた。チェアースキーも、一般スキーも技術的な違いがないことを二人で確認することができた。

➀胸の向きは谷側を常に意識する。➁スキーが身体の下を通過して次のターンに入っていくと、捻りが生まれ、その捻りが元に戻ってくる動き、捻りの連続でターンが繋がっていく。➂内傾角を深くすることでカービングターンを作り出していく。

私が追い求めている技術と何ら違いがない。粟巣野スキー場の少し荒れた斜面をチェアースキーでぶっ飛んでくる。彼の姿を見たスノーボーダーの若者から「すごいですね。」と感嘆の声が聞こえた。何となく私が褒められているような、うれしい気持ちが込み上げてきた。

彼がスキーをやり続ける限り、私も同じようにスキーを楽しんでいきたいと、改めて心に誓った。今回、障害者の方々とスキーを楽しめたことは、私のスキー感やスポーツ感を改めて確かめさえてくれた気がする。スポーツに取り組むことで「笑顔があふれるとこ」が一番重要だと改めて感じることができた。

悪天候にもかかわらず、粟巣野スキー場に集合。

準備をしていざ滑降開始。

今日のメンバー 全員ではありません。この他にスノーバーダーの方も参加。残念ながらこの時は、捕まらなかった。

いつもマンゾクスポーツで暑くスキーについて語ってくれる金山ご夫婦。高村君もお世話になっている。スキー界のレジェンド!本当にスキー関係者の人脈の広さにびっくりさせられます。

救助者は、グリップを握るのみ。危ない場合は自ら離すことができる。

介助者は、ベルトを肘の下で止め、グリップを握る。

実際の滑降の様子 下は動画で ↓

お昼からは、チェアースキーとコラボ

チェアースキーにとって、リフトに自分の力で乗れるかどうかが重要となる。彼は、まったく問題なくチェアーを上げてすんなり乗っていく。

谷回り 胸が谷側を向いている。

山回り スピードを出して次のターンへ入っていく。

ニュートラルポジション 胸の向きを少しだけ谷側に向けている。

ターンのマキシマム 内傾角が深くなる。

荒れた中斜面を滑ってくる。 身体の下にスキーが戻ってくる。

小回りも自由自在。アウトリガーの使い方がうまい。 早い段階からエッジが雪面をとらえている。 スキーが1本だからやりやすいのかもしれない。

内傾角が一番深かった。

片斜面を左右のエッジングを変えながら、降りてくる。

久々に楽しいスキーを彼と行うことができた。感無量といった感じ。

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