憧れの剱岳・北方稜線にチャレンジ

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ここ1週間以上安定した日々が続き、猛暑となっています。
お盆休みに何処かへ行こう。
五竜岳も考えたのですが、ここは「剱岳・北方稜線」にチャレンジすることに。
以前から行ってみたかったコースです。
バリエーションルートとして有名なのですが、生半可な気持ちでは行けません。
岩登りテクニックやアイゼンワークが必要だったりと経験が求められます。
今回は、馬場島~剱岳へ登り、北方稜線を下ることにしました。
帰りはどうするかで悩みました。池の平小屋に一泊して、次の日池ノ平山を経由大窓を下る。
小窓まで行って判断することにしました。
これが今回の大きなミスになりました。
小窓に着いたところで、小窓雪渓を降り、鉱山道を探したのですが、その入口が分かりません。
例年より雪が多くマークが隠れてしまっているようです。
ここは、決断を早くしないと時間ばかりが経過してしまいます。

登り返し、西仙人谷を下ることにしました。このルートに雪が付いていれば問題がないのかもしれません。
前半のガレ場(難所1)にてこずりましたが、なんとか雪のある所に。
この後は、雪渓の上をアイゼンとピッケルを持ってひたすら下ります。時間との勝負となってきました。
最後の雪渓が崩れているところ(西仙人谷の大滝のある場所)(難所2)も問題でした。
落差10m一気に崩れています。
雪と岩盤の隙間をアイゼンのツメを岩場にひっかけ、ピッケルを雪に食い込ませながら慎重に下ることができました。
その間、上からは雪解け水が容赦なく全身に降りかかってきます。ずぶ濡れ状態です。(半分気持ちが良かった。)
ここをクリアーするのに30分以上はかかったでしょうか。
大窓雪渓との出合いに来ました。なんとここは滝(難所3)になっています。
右側のがれ場を慎重に巻いて、下に降りることに成功。
後は河原を下るのみです。大きな雷岩までひたすら下ります。ここの河原の石は大きいためコースどりが大変です。
右岸から左岸に行ったり来たり、ここも時間がかかりました。
最後に待ち構えた尾根越えのコース。急登が続きます。15時間近く歩いてきた身体に最後の試練です。
今回、脚の痙攣は一度もありませんでした。
要因を探るに、
①剣岳までのペース配分が良かった。6時間10分少々(全く疲れませんでした)
②アミノバイタル4000mgを3袋定期的に飲んだこと。
③しっかりエネルギー補給をしていたこと。
④4L近くの水分補給をしたこと。(最後は川の水が飲めた)

などが考えられます。
ともかく、憧れの北方稜線を半分制覇することができ、また、これまでとは違ったバリエーションルートの難しさと、素晴らしい眺めを満喫することができた山行となりました。

メンバー:レッドバロン
1:20 馬場島出発
2:51 1400m地点看板通過
4:19 地塘通過
4:44 早月小屋通過
5:50 2614m地点通過
6:41 2800m地点通過
7:31 剱岳山頂到着(エネルギー補給・同じ方面の方を待つ)

 8:08 山頂出発
8:37 長次郎コル通過
9:04 岩棚のバンド通過
9:33 池ノ谷ガリー突入
10:00 三ノ窓通過
10:27 小窓ノ王通過
11:00 最終雪渓通過(3つ有り)
12:14 小窓到着
13:19 鉱山道入り口が発見できず小窓に引き返すことを決意。
14:06 西仙人谷突入
14:25 雪渓の下り開始(難所1クリアー)
15:41 雪渓の崩れた所通過(西仙人谷大滝)(難所2クリアー)
16:06 滝の高巻き(難所3クリアー)白萩川をひたすら下ります。
17:33 雷岩通過(最初のザイルの所で入り口を勘違いしてもたつく)
18:04 尾根超えの登山道到着(前半の急登に苦しむ)
18:44 白萩川最終堰堤到着(この後オロロに苦しむ)
19:15 車止め到着

馬場島~剣岳~小窓経由H25.8.15
岳まで6時間10分少々 剱岳から馬場島11時間少々  計17時間少々の山行でした。

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1:20 馬場島スタート 暗闇に世界にヘッドライトのみが頼りです。消してみましたが、全く何も見えません。今回ヘッドライトの代わりの電池を忘れました。ハラハラドキドキの登りです。

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4:19 地塘通過。暗闇の世界は不気味です。誰かに見られているような、そんな錯覚が。いや 後ろにいたのかもしてません。これもまた夏の登山にぴったり。くわばらくわばら。

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4:44 早月小屋に到着。 もうヘッドライトはいりません。エネルギー補給して出発。

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山頂が、少しづつ見えてきます。ペースを早めたりはしません。後半のことを考えて小エネ登山を心がけます。

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「タカネマツムシソウ」ここ早月尾根にこの色の花はきれいすぎます。

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バックは剱山頂

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6:41 2800m地点 ここからスリル満点の登りとなります。ヘルメット着用。(剱岳はヘルメット着用を義務付けたいものです。)

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7:09 獅子の頭を通過。最後のステップのステンレスの棒が年々曲がってきています。

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クサリ場も連続。

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沢の雪の量も減りました。別山尾根からも多くの登山者が。

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7:31 剱岳山頂到着 山頂は大混雑。

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八ツ峰をバックに1枚。

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8:08 山頂出発 ちょうど1グループがスタートして行きました。道案内してもらい進むことに。

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「イワギキョウと八ツ峰」いい感じ。

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最初の難関「長次郎の頭」手前の斜面を登り、軽いロッククライムの後右側にまわりこんでいきます。

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前のグループがちょうどロッククライムしている最中。

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取り付き地点には、ザイルもぶら下がっています。

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をバックに1枚。

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岩場のバンドを通過。スリングも2ヶ所に付けられていました。

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大きな岩の下が平らになっています。ここでテントを張る場合もあるようです。ここから八ツ峰の頭がくっきりと見えます。ロッククライマーも数名確認できました。

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左側から稜線に上がり、はい松地帯に進みます。

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はい松地帯から振り返っての剱山頂。

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長次郎谷と八ツ峰 この谷をつめて剱に向かうこともできます。

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真ん中の尾根が、「赤谷山~赤ハゲ~白ハゲ~池の谷山」

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池の谷ガリーへの下り。慎重に下ります。目の前に「八ツ峰の頭」がそそり立ちます。

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溝の間を下ってきた感じです。ここが一番安全だと思われました。

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9:33 池の谷ガリー突入。正面に「小窓ノ王」が。

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ガラガラと落石になります。後ろの3人組は「落」の声をかけて下ってきました。

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下った目の前には、「小窓ノ王」が立ちはだかります。

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10:00 三ノ窓到着 ここにテントを張って目の前の「八ツ峰」にチャレンジするクライマーガール発見。「山ガールもここまで来たんですね。」と話しかけたところ、「山おばさんです。」とかえってきました。
それにしても登攀用具・テント・食糧合わせ一人17・8kg近くになるそうです。

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三ノ窓からの後ろ立山連峰 右から爺ヶ岳の2つの山頂 真ん中が鹿島槍ヶ岳 北峰・南峰 そしてまだ行っていない五竜岳。

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小窓ノ王の下を巻くように上がります。ここもがれ場。(世に言う”発射台”

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途中に咲いていた「ウサギギク」癒されます。

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正面が「仙人山」でしょうか。

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雪渓が計3つ出てきました。その内の一番傾斜がきつい雪渓でアイゼンを使いました。(この準備に時間がかかります。)

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最後の雪渓を通過した後、道を見失ってしまいました。下がりすぎたようです。思い切って上がったところ登山道にぶつかりました。踏み跡がはっきりしません。すれ違った方も、雪渓で迷ったようです。

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小窓への急なくだり。

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12:14 小窓到着。ここでどうするか迷いました。迷っているところに3人組が来られ予約なしでも小屋は大丈夫と言って、池の平山に上がって行かれました。
私は、小窓雪渓を下ることに。

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小窓にあった洞窟。人工的に掘ったものだと思います。こんなところで人は何を。鉱山道の名残かもしれません。

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一気にガスがかかって旧鉱山道の入口が分かりません。白いマークもあるはずですが見当たりません。
あせってきました。3人組は、池の平山から小屋に向かうかもしれません。
今なら時間的にまだ可能と判断。引き返すことを決断しました。
西仙人谷を下って大窓雪渓に合流。白萩川を下って馬場島に帰ることにしました。

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14:06 小窓に到着(ここで2時間近くのロス。)西仙人谷前半は急なガレ場が続きます。ここをなんとかクリア―。

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14:25 アイゼンを取り付け、雪渓をひたすら下ります。耳は落石の音に集中しています。

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雪渓は靄がかかってひんやりしています。

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途中にあった「クレパス」底が見えません。この雪渓も「氷河」なのでは。

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雪渓も後半になってきました。最後の雪渓の崩れ具合が気になり始めます。

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10mほどの落差で崩れていました。(西仙人谷の大滝)岩盤と氷の隙間をうまく降りることに成功。雪渓からの冷たいシャワーで全身びしょびしょです。(これが結構気持ち良かったりしました。)

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二カ所目、ここも雪渓の隙間から下へ。アイゼンの歯がつるつるの石の小さな隙間にうまく引っかかってくれました。

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最後は、慎重に雪渓を渡って河原に降り立ちます。

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16:06 最後の難関を左側の岩場を高まきして通過。

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後は、白萩川をガンガン下るのみ。と言いたいのですがなんせ、岩が大きい。片貝川のようには行きません。
右岸・左岸の一番通りやすい所を選んで進みます。これも時間ばかりがたちます。

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17:33 雷岩通過。川の水をごくごく飲みました。「うまい」ここまで1時間30分近く一心不乱に下ってきた感じです。ここからは、右岸を進みます。

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右岸に赤くマークだできてました。それを目印に「鷹の座り」を高巻く登山道を探します。

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18:04 ようやく高巻きの登山道に入ります。ここからが急登です。トラ縄・ザイルが準備されていますが、辛いこと・辛いこと。そうですもう16時間近く動いているのですから。

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18:44 白萩川最終堰堤に着きました。ここからは、別の苦しみが待っていました。
「オロロ」です。先週の片貝川は、全くいなかったのですが、やはりこの時間帯はいるのですね。
100匹とは言いませんが20~30匹ほどが私の身体の回りを跳びまわっています。
すきあれば何処かにしがみつこうとしています。払いおとしながらの下りとなりました。

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19:15 車止めに到着。超超ロングな山行終了。
今回の北方稜線への挑戦は、好天がつづいているタイミングがカギでした。
夕方になると、夕立が降るようでは安定してるとは言えません。前日の14日は、夕方まで安定した状態でした。
「このタイミングしかない」と決定。自分のペースでハイクしていくことを心がけました。
決して焦らないこと。特に剱岳山頂から池ノ谷ガリー通過までが、カギとなると考えました。
幸いにも、1グループが前を行ってくれます。これが心強く感じられました。
池ノ谷ガリーからは、私が先行しましたが、70歳ぐらいのご老人が一緒の3人グループです。
小窓で一緒になり、その後池ノ平山に登っていかれるほどの強者です。
登山の世界も奥深いことを今回知ることができました。
すれちがった老夫婦は、大窓から池ノ平小屋~早月小屋~馬場島だそうです。
この方々、雪渓ではステップを切ってこられたとか。
三ノ窓であった三人の”山おばさん達”もすごいと思いました。山にべったりなのでしょう。
それも幸せな人生かもしれません。
山に入ると確実に身体が活性化します。アドレナリンが出まくり細胞が若返るのです。
今回後半の難所3カ所に関しては、本当にバリエーションルートとしての厳しさを実感させられました。
登山道でない所をクリアーするところに、“本当の自力”が出てくることを感じました。
今回のこのような経験は、今後は控えめにしなければなりません。
帰りが遅くなったため、家族には心配をかけてしまいました。
このコースはやっぱり1泊2日コースなのでしょう。
安全を考えるなら、池ノ平小屋~阿曾原小屋~宇奈月なのでしょうか。
今回バリエーションルートとなると一気に登山者の数が減ります。その分、自分に全ての責任が付いてきます。
日々の仕事もそうなのです。毎日の仕事には、全てに責任が付いてくるのです。
人は、その逆境の中で強くたくましく成長するのです。
現在、子ども達に「生きる力」を育てることが教育界のねらいとなっています。
ここまで危険な方法は採れないとしても、様々な体験の中にだれも助けてくれない世界を演出していくことも大切と考えます。(高校生の登山活動が激減している時代)
今回も、素晴らしい眺めと新たな体験をすることができた、充実した山行となりました。

“憧れの剱岳・北方稜線にチャレンジ” への5件の返信

  1. SECRET: 0
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    梅さんコメントありがとうございます。
    少々無茶をしてしまった感がありますが、今までにない刺激的な登山でした。
    ロッククライムの世界もそうなんでしょうね。
    八ツ峰が渋滞だったと思います。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    行きましたかー。流石ですね。
    〇とか×とか→とかのペンキもあるけど少ないんでしょうね。
    イヤー行ってみたいです。
    私は飲んだくれています。サビシー!

  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ひーさん・週末山紀行さん、コメントありがとうございます。昨日・今日と身体はずたずたです。一番の疲労は、足首です。アイゼンを付けての雪渓の下りや、河原の徒渉の連続が足首の疲労につながったのだと思います。捻挫ではないのですが、全体に腫れて熱を持ってました。大腿部は、二日目にして回復しています。

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