
5月のこの時期は、田植えが最盛期となります。僧ヶ岳の雪模様を見て田植えをする時期なのですが、今年は雪模様が全く残っていません。例年だと残雪期の山スキーの一番楽しい時期にあるのですが、全体に3週間ばかり早く時間が進んでいるようです。4月に毛勝山に行っているので、今回は猫又谷の二股から左俣の谷をつめ釜谷山を直接攻め、ついでに猫又山によって右股を下る周回ルートにチャレンジすることに。
毛勝三山の内、左端の毛勝山と右端の猫又山へは何度も行っています。真ん中の「釜谷山」へ行くタイミングを失っていました。雪も相当消えている情報もあり、今回は山スキーではなく歩きで行くことにします。(これが大正解)
車を止めてからMTBで南又発電所までを想定していましたが、雪がないのでそこから30分近くMTBをこぐことができ、相当時間を短縮することができました。いつもは山スキーを担ぎ、スキー靴でMTBをこいでいたので非常に身軽に感じ、苦にならなかったようです。MTBをデポした後は新緑の桂の木の群生地をとおり、最終堰堤を目指します。
最終堰堤を越えると、いつもは長いだらだらとした雪渓が目に飛び込んでくるのですが、今回目の前には藪・藪の河原が横たわっています。ここから約1時間の激藪漕ぎが待っていました。ただ、助かったのは、ピンクのテープが目印として樹に巻き付けてあるため、それを頼りに進むことができました。それでも相当な藪漕ぎです。この状態でスキーをリュックに括り付けてこの藪漕ぎをするとしたら、相当な時間がかかったことでしょう。今回はスキーではなかったことが大正解だったようです。
悪戦苦闘の藪漕ぎの後、やっと目の前に雪の斜面が見えてきました。ここでアイゼンを装着します。アイゼンでの登行ですが気が抜けない状態です。雪が崩れ、雪渓の下に落ちる可能性もあり、極力端を歩くよう心がけていきます。それでも雪渓の下から水が流れる音が聞こえてくることもありました。ただ救いは、朝冷え込んだことで雪面が硬くなっていたのが幸いし、アイゼン登行になってからは、快調なハイクができました。約50分で二股に到着します。左股を見ると鞍部までは雪が繋がっていませんが、概ね行けそうに見えます。先ずは釜谷山を攻めることにします。
雪の硬さもアイゼン登行にぴったりの硬さです。深く潜ることもなく、けりこめばしっかりとアイゼンの歯がくいこんでくれます。今シーズンは、毛勝山のボウマサ谷や、火打岳のルンゼと急斜面登行を経験してきました。その角度からすると緩く感じます。約2時間で雪渓を登り切りましたが、鞍部に登り上げるルートファインディングをミス。藪漕ぎが待っていました。少しでも高度を稼ごうと、左に行き過ぎ目の前の藪を突破することができず、下がって藪の一番少ない場所から登り上げることにしました。藪漕ぎの途中、ふと見ると登山者が2名猫又山の方に向かっています。
鞍部に上がってからは、約30分で山頂に到着することができました。初めての釜谷山山頂に少々興奮気味。今日も雲海が富山平野を覆っています。30分の滞在でした。エネルギー補給をして、猫又山を目指します。鞍部へは11分で到着。すると猫又山を目指していた登山者が戻ってこられました。京都からの方々で、西北尾根からのアプローチだったようです。クワガタ池辺りでテント泊をされ、今日は三山を往復とのこと。マニアックな山で人に会うと思わず話しかけてしまいます。
鞍部から30分で猫又山山頂に到着。ここからの剣が一段と綺麗に見えます。ここは写真を撮って早々と後にしました。下っていくと三名の登山者が上がってきます。彼らは、右俣から上がってきたようです。話をすると魚津岳友会の方々でした。ここ北方稜線を中心に昔からルート開拓や登山道整備などなさっておられます。私が北方稜線を楽しめるのもこの会があるからだと、常々感謝しています。私と同じ職種の方もおられ楽しい会話ができました。
下りは本当に早いものです。右股の鞍部から二股まで30分少々で下ることができ、アイゼンを装着した場所までも1時間ほどで下ることができました。ただ、この後がまたまた大変。激藪をクリアーしなければなりません。例年雪があればスキーで1分で通過してしまう場所を50分かけての通過です。ここでもピンクのテープが助けてくれました。誰がつけてくれたかわかりませんが感謝したいと思います。大明神へ行くときも付いていましたが、同じ方かもしれません。
最終堰堤通過後は、MTBのデポ地まではあっという間でした。回収後下りは天国です。途中、龍石によって御参りをし今日の山行を締めくくることができました。ただ、雪渓をひたすら歩く山行であったためか、高山植物の花たちはあまり見ることができませんでした。連休に行った中山の時と同じ花が咲いていましたが、数も少なかったようです。今回念願だった釜谷山へ行くことができ、またまた剣岳を拝むことができ大満足な山行となりました。
メンバー:レッドバロン単独行
MTBでの移動 往路:1時間10分 復路:25分
往路:6時間10分 山頂滞在:30分 復路:3時間50分 計:10時間30分
4:20スタート まだ薄暗い状態

洞杉エリアを通過 ここまで意外と快調。
4:51 南又発電所を通過。 ここまで30分
結構奥まで入ることができました。道が登山道状態になってきたところでMTBをデポ。新緑が綺麗です。
年々自然に戻っているように感じます。平成13年に最終堰堤工事をしていたので、その頃はトラックが通れる道だったはずです。
5:24 猫又谷の全容が見えてきました。やはり雪が少ない。
5:57 最終堰堤を通過します。
雪がありません。いつもはここからスキーでスタートできるのですが。
6:47 約50分かけて激藪を通過。写真を撮る余裕がありませんでした。ここでアイゼンを装着。
がたがた状態の雪面。
二股が見えてきました。この辺りは雪面が綺麗なのですが、雪渓の下で水の流れる音がします。やばいので端によって登行しました。
左股をつめることに。雪面は安全そうです。
セルフタイマーで1枚。
雲海が谷を覆っています。
太陽があまり当たらない谷のようです。なので右側の雪は固くしまっています。
雪面も残りわずか。
快適な雪渓。
鞍部でのルートミスで立ち往生。ふと振り返ると登山者が。
一度下って、一番低い場所を上がることにします。
ここだと最後の藪漕ぎはひどくなさそう。
藪をかき分け、鞍部到着。
雪の上を釜谷山へ。登山者の足跡が導いてくれます。
10:30 釜谷山山頂に到着。 この看板が見たかった。
やはり剣岳の眺めが最高。
後ろ立山の山々。山の重なりが綺麗です。この深い谷を渡ってくる強者をいるようです。一番右側が五竜 左端の高い山が白馬
左が五竜 鹿島槍 爺が岳
剣から大日岳 手前の尾根が大猫山の東芦見尾根
セルフで。
11:00 山頂をあとにします。
鞍部で戻ってこられたお二人と。京都からのベテランの方々です。
猫又まではもう少し。荷が軽いせいか辛さをあまり感じません。
大きな岩の通過が難所ですが、しっかりと整備されています。
山頂に突き出ている発射台が見えてきました。
11:44 猫又山山頂に到着。写真を撮ってすぐに下山開始。
右から毛勝山 南峰 釜谷山
セルフで。
いつ見ても猫又山からの剣岳は素晴らしい。
右俣から上がってこられた魚津岳友会の方々とご挨拶。ここ猫又山も国際的になってきました。黒部市の小学校のALTの先生です。
突き出ているのが大猫山 そして東芦見尾根

東俣の鞍部からの剣岳。素晴らしい。
12:09 鞍部から東俣への下り開始。
前半はスキーでもOKのようですが、途中から地雷が多発。
約30分で二股に到着。
猫又谷を振り返ります。
アイゼンを外し、激藪に突入。
ピンクのテープが道案内してくれます。

こんな感じでぶら下がっているテープを探しながら。
あったあった。
本当は雪で埋まっているはず。
14:00 最終堰堤に到着。
自転車回収後は天国。
下っていきます。
鎖もでてきます。
洞杉を回って。
舗装した道は、スピードが出てしまいます。
途中、龍石の祠で御参り。
見学できるように整備されています。
有名な龍石(蛇石) 片貝川上流、南又谷の河原にある「蛇石」は龍石とも呼ばれ白い花崗岩に貫入した黒い輝緑岩の模様が、まるで石に大蛇か龍が巻き付いているように見えます。大きさは高さ約1.5m、幅約2mです。
昔、三太とういう狩人が巨岩を抱いた大蛇を発見し、不思議な力をもった金と銀の弾を撃ちこんだところ、大蛇は雷鳴とともに石に絡み付いて死に絶え、その恨みが大洪水をおこしたと言い伝えられています。
今でも片貝川に洪水があると、そのたたりと恐れられ、干ばつの時にはこの石を打ちたたけば必ず雷雨を伴うと信じられています。
参考資料:魚津市史、伝説とやま、「水の学び舎」資料
センキュウだと思うのですが。
14:50 駐車場に到着。今日も充実の山行でした。

最高に気持ちよさそうな景色ですねうらやましい・・・
猫又谷も雪が多ければ、気持ちよくスキーで滑れそうなところですね☆
来シーズンのお楽しみに取っておきたいと思います!
今シーズンは何度もご一緒させていただき有難うございました。
本当に楽しい山スキーばかりでした!来シーズンも是非よろしくお願いします。
それと、クライミングも興味があるので、タイミングがあれば声をかけていただければと思います。
今シーズンは、なんとなく立山に足が向かず終わってしまいました。立山川から室堂に行った経験から、お金を出していくのがもったいなく感じてしまいます。残雪期は、MTBで汗をかき、ハイクで汗をかいてこそのような気がします。アプローチの途中に出てくる花達も魅力なのです。欲張りなのでしょうか。
今回の猫又谷も条件がいい時は素晴らしスキー場となります。デブリもすくなく長い中斜面が続いてくれます。来年は期待しましょう。地元の山がこんなに山スキーに適しているとは知りませんでした。まだ行ってない谷もたくさんあります。
クライミングは、やはりハーネスやクイックドローなど揃えなければならないものがいくつかあります。ロープは私が持っている60mで大丈夫なのですが、しっかりした道具を選んでいく必要があると思います。そんな私もまだ初心者で教えるレベルではありません。少しずつやっていきたいと考えています。懸垂下降はできるようになっているといろいろ可能性が広がるようです。
雪解けが進み気分的に寂しいものを感じました。
このエリアも夏山に移行したのですね。
今シーズンは本当にお世話になりました。
残雪期の毛勝、焼山、白馬など好天も手伝ってどれも感動の山行が続き、強烈なエルニーニョによる暖冬雪不足もすっかりチャラどころか逆に良いことの方が多かったのではと感じるほどです。
本当に充実したシーズンでした。ありがとうございます!
また来年もよろしくお願いします!!
こちらこそ楽しい山行を演出していただき、ありがとうございます。若手ウッシーの出現でテンションも上がり、忙しいさなかでの山行の連続でしたが充実した残雪期となりました。
今シーズンも、立山川から室堂に入り剣岳周辺を回る山行がしたかったのですが、そこが心残りです。まだまだ行っていない谷もあるようです。来年に向け候補を探しておきます。夏山もコラボお願いします。