念願の「池ノ平山(北峰)」へ 大窓の頭からのアドベンチャーを満喫

ここに来て猛暑もおさまり、ハード山行が可能な天候となってきた。涼しくなったことで馬場島のオロロの活性も低下してきているはず。念願だった「池ノ平山」にチャレンジすることにした。ただ、日帰りでの日程しか確保ができなかったため、今回は偵察を兼て北峰のみをチャレンジすることにした。

2013年9月22日に大窓の頭までは行っている。このコースは、登山道といったしゃれたものは準備されていない。小窓尾根を乗り越え池ノ谷へ繋がる登山道らしきものがあるが、夏場は訪れる登山者も少なく、毎年自然の一部になりつつある。白萩川最終堰堤の左に高巻きルートとして登山道があるが、そこもどうにか登山道として認識できる程度だ。もちろん地図には載っていない。

3:58にゲート前をMTBでスタート。白萩川最終堰堤まで、約30分かかる。帰りに疲れた身体を引きずりながら、もしかするとオロロの襲撃を受けながらここを歩く気になれない。

4:16橋の上で天狗蔵君を待つ。5分ほど遅れてMTBを引きずりながら上がってきた。「チェーンが切れた」とのこと。仕方がないのでMTBを押しながら最終堰堤に向かう。結局歩くスピードと変わらず30分かかってしまった。

その後は順調に白萩川にでて、河原を歩く。数日前の雨の影響か水量はそこそこあるが、登りでは一度も渡渉で水没することなく、石をジャンプしながら右岸左岸を進むことができた。

東仙人谷の手前から雪渓が残っている。何回もここを訪れているが、ここまで残っているとは思わなかった。ただ、雪渓は安定しているのでその上を登る方が楽だし早い。

6:57西仙人滝を通過。ここ西仙人滝は、2014年9月23日に赤谷山から赤ハゲ・白ハゲを周回した時以来になる。久々の西仙人滝は左側が崩れて通過しやすくなっているようだ。以前西仙人谷を下って滝の横を白萩川に降りたつのに苦労したことを思い出す。

その後は、足場の悪い中仙人谷を大窓を目指してもくもくと進む。何度来てもここの登りは不安がある。目の前の大きな岩が今にも崩れてきそうな気がしてならない。

8:13旧鉱山道を示す大きな石を通過する。ここでガレ場から解放される。旧鉱山道は、2014年に登った時はしっかりと登山道であることが認識でき、道に迷うことはなかった。ここも自然の力に飲み込まれ、木の枝が伸びて旧鉱山道としての原型をとどめていない。よくこのようなバリエーションルートには、ピンクのテープが巻かれており、うまく道案内してくれるケースがあるが、まったく人がきた気配が感じらえなかった。なので、8:22に旧道を見失い、左に進んでしまった。そのまま大窓に登るルートも考えたが、GPSで確認し、戻って旧道を探すことにした。9:00に運よく旧道を発見。その後石積みの跡もでてきたので、ルート的に間違っていないことが確認できた。

9:22大窓到着。ここまで意外と時間がかかった。道迷いの影響が大きい。エネルギー補給して大窓の頭を目指す。2013年に来た時も登山道らしい跡があり、そこを辿ったが、やはりここも這松の生育が著しく、途中で道に迷うと這松地獄につかまってしまうことになる。何度も確認しながら登りはどうにか登山道らしきところを進むことができた。

10:39大窓の頭に到着 剣岳が目に飛び込んでくる。ここでハーネス・スリング・ザイル等を身に着け、いつでも使える準備をして池ノ平山に向かう。池ノ平山の根元の細尾根までは難なく行くことができた。人の踏み跡らしきものが左にあるので回り込む。スリングを発見。ネットで調べるとでてくるものと判断がつく。スリングの横に岩の割れ目に沿ってロープがぶら下がっている。少々心もとないが、最善の注意を払ってそれを利用し上がる。このロープも劣化は時間の問題だろう。今度来るときは新しい物に交換することも考えないといけない。(ただ登山者を拒む山だとするなら、勝手に設置するのも罪かもしれない。)

草につかまり最後の難関に到着。ネットでは右の急斜面を上がったケース。左の急斜面を藪漕ぎしながら上がったケースと様々だ。今回、登りは左側を選択した。(見た目は左側が緩く感じた。)出だしは人の踏み跡らしきものもあり、快調だったが、どんどん斜度が急になる。ましてや這松が行く手を阻む。急斜面を藪漕ぎしながら登っていく。這松の下で、天狗蔵君を待つ。彼も苦労して上がってきた。

11:43 最後の藪漕ぎを終えたところで山頂が見えてきた。這松帯を抜け山頂へ。もうヘロヘロ状態。しかし、今までクリアーできなかった難所を制覇できたなんとも言えない喜びがわいてきた。南峰へのルートもいろいろあるが今回はここまで。帰りの時間を考えるとすぐに下山しなければならい。

下りは反対に右のルートをたどることにする。ここも人の踏み跡らしきものがある。最後の急斜面は太い這松の樹を支点にして懸垂下降することにした。これまで練習してきた成果をここで発揮することができた。登りで迷った草付の斜面まで約30m。ザイルを結んでセットし、私が先に降りた。その後天狗蔵君も降りてきて、ザイルを回収。もと来たルートをたどって大窓の頭に戻ることができた。

13:03大窓の頭に到着。行きも帰りもここの区間だけで約1時間かかっている。いかに難所なのかが分かる。池ノ平小屋の主人が、「そのルートから来るものは宿に泊めない」と厳く言われた理由が分かる気がした。安易に考えてはいけないルートであることには違いない。

13:15大窓の頭で短い時間で昼食をすませ下山開始。下山で登山ルートを見失い、ルート探索のために分かれたのがミスだった。私だけ這松地獄にはまってしまい、抜けだすのに16分のロス。ましてやエネルギーをたくさん費やしてしまった。まだまだ先が長いというのに。天狗蔵君はどんどん下ってしまう。少々心細くなってきたが、単独で行動していることを考え、自分でルートを考えながら、大窓にたどる着くことができた。

14:12天狗蔵君はしっかり休養しているが、帰りの時間には余裕がない。休憩もそこそこに大窓旧鉱山道に入っていく。下りは旧道がはっきり理解でき、迷うことなくガレ場に到着。落石に注意を払いながら下っていく。自分が踏んだ石が足を離した途端に崩れて下にあった自分脚の上に崩れてくる。ましてやバランスを崩して尻モチをつく等々があったが慎重に下った。

15:25西仙人滝を通過。天狗蔵君は余裕の表情。私は相当疲れが出ている。水を補給しカロリーメイトを食べて白萩川を下る。やはりこの下りも彼にはついていけない。前半は雪渓が時間短縮になった。その後は大きな石を乗り越えたり、右岸左岸を行ったり来たりしながら下っていく。

16:51高巻きルート入口に到着。ここでそのまま河原伝いに最終堰堤に向うことにする。シューズはトレランシューズなのでそのまま川の中へ。水は冷たいが調度アイシングを行っているのと同じになり、疲れた膝から下の部分にとっては最高によかった。

17:25最終堰堤に到着。下流に向かって左側に虎縄がぶら下がっており、それを利用して降りることができる。最後は、対岸に向かって渡渉し、MTBの待つ登山口に到着となった。

17:29MTBにまたがり、ダウンヒル開始。チェーンのない天狗蔵君のMTBも何の問題もなく30分かかる道を4分でクリアー。

17:33駐車場所に到着となった。

念願だった池ノ平山。偵察を兼ねた1day山行だったが、その目的は充分に達成することができた。今回持参した登攀用具も充分に活用することができた。特に池ノ平山からの下りで利用したルートは、登りでも使用した方がいいように感じた。30mの斜面にザイルがぶら下がっていれば安心して登れるように思った。

問題は、ここはバリエーションルートである。自己責任の世界であることをしっかり考えて行動しなければならない。今回は、二人で相談しながらの初めてのルートだったが、アドベンチャー山行を充分に満喫することができた。

メンバー:天狗蔵君・レッドバロン

往路:7時間45分  山頂滞在:23分 復路:5時間27分(昼食時間を含む) 計:13時間35分

大窓の頭~池ノ平山北峰までのルート

3時58分スタート

しっかりゲートが締まっている。こんな時はMTB。

チェーンが切れた天狗蔵君のMTB。

4:28 登山道(高巻きルート)へ。

ここは登山道として認識ができる。

下りは自然化が進んでいる。

河原に到着

マークもでてきた。

雷岩までは虎縄も貼ってある。

雷岩が見えて来た。ここで対岸に渡って小窓尾根につながる登山道がある。

ここから先は私達の前に登山道はない。渡渉もジャンプして。

大きな石がゴロゴロ。

大きな石を飛びながら進む。

大窓につながる中仙人谷が見えてきた。

6:13 赤谷山からの谷を通過

今年は雪渓が意外と残っている。

6:27 雪渓の下を通過

6:33 雪渓の上を進む。意外とこれが楽。

西仙人滝までつながっている。

一ヶ所だけ切れていた。横から這いあがる。

大きな岩の横を通過

ブリッジがでてきた。ここも渡らなければならない。しっかりしていると思うがやはり怖い。

天狗蔵君が最初に通過。

東仙人谷

6:57 西仙人滝を通過

7:01 中仙人谷に入る。ヘルメットを着用。

足場の悪いガレ場を慎重にハイク。

太陽が差してきた。

しかし谷の中はまだ暗い。

だいぶ高度感が出てきた。此処は一気に上がる谷。

小窓尾根が太陽に照らされる。

上にある大きな岩が崩れないことを祈る。

8:12 旧鉱山道入口に差し掛かる。ガレ場から脱出。

しかし旧鉱山道は限りなく自然化が進んでいる。

道を見失い、迷走38分 元に戻ってようやく発見。

石積みがでてきたので間違いない。

大窓が見えてきた。

ここにも人工物(石積み)

最後のガレ場を進む。

9:22大窓に到着 お地蔵さんの横にピッケル。何か意味がありそう。ここで遭難した人を偲んで置いた物か。置き方に意図を感じる。2015年に大窓を通過した時にはなかった。なんとなく置いてある理由が知りたくなる。

右から鹿島槍南峰・北峰 今年行った五竜岳 唐松岳 と続く。下の雪渓は小黒部谷から。ここをスキーでハイクした。

白ハゲ方面

大窓の頭方面 まったく登山道の跡がない。前はあったように思うが。

枝を人工的に切った痕。踏み跡もこの辺りははっきりしている。

白萩川が下に見える。相当上がってきた。

反対側の白ハゲ

そろそろ這松帯に入る。ここで登山道を見つけられないと大変なことになる。

どうにか見つけることができた。

這松の間を縫うように進むが、道とは思えない。しかしこの隙間がないとたぶん前に進めなくなる。

右から巻くようにして大窓の頭へ 目指す池ノ平山が見えてきた。

10:39 大窓の頭に到着。ここで11時を過ぎていたら多分断念していた。

バックは剣岳と池ノ平山

登攀用具を身に着け 池ノ平山へアタック開始。

どこもかしこも這松帯だらけ。

取りつき地点が見えてきた。鞍部を左に回り込む

 

 

鞍部に差し掛かる。

ここを左に少し下る。

ぶら下がっているロープを頼りに上がるしかない。

左側に十分な注意が必要

草付を這い上がる。

左右に分かれる場所。上りは左に行く。

天狗蔵君も草付を上がってきた。

前半は踏み跡がある。どんどん斜度がきつくなる。最後は這松帯を急斜面藪漕ぎ。

もうすぐ山頂

11:43 池ノ平山頂に到着

山頂から南峰を見る ここにたどり着くのも大変そう。

満足感に浸る。

池ノ平山 南峰

ここからの剣岳もいい。 小窓の王の下から小窓につながる登山道が見える。

下に見えるガレ場を上がれば南峰に行けそう。

まさしく北方稜線の山々

12:06 下山開始。

30mの懸垂下降を判断した場所。

セッティング開始

私が降りたあとに天狗蔵君が懸垂下降。

下の草付斜面に到着。

草付斜面を降りてロープの場所に移動。

ロープを使って下に降りる。

大窓の頭がすぐそこ。

細尾根を慎重に進む。

13:02 大窓の頭に戻ってきた。

短時間で昼食を済ませる。

13:15 下山開始

下に私の頭だけが見える。這松地獄にはまった。

脱出して下る。

ガスがでてきた。

もう少しで大窓

大窓から降りてくる私。

14:12 余裕のよっちゃん 大窓下山開始。

旧鉱山道はどうにか判断ができた。

14:32ガレ場に突入。

天狗蔵君の姿はもう見えない。

と思ったら見えた。

15:25 西仙人滝に到着。

しぶきが気持ちいい。

水分をハイドレーションに入れ、エネルギー補給して出発

写真ほど余裕はありません。

やはりどんどん離される。

大きな岩。こんなのがゴロゴロ。

水が多ければ高巻きしなければならない場所。難なくクリアー。

16:39 雷岩の横を通過

虎縄も貼ってある。

天狗蔵君が高巻きルートの前に待っていた。相談してそのまま河原を進むことに。

この後水没。

最終堰堤の左側に虎縄が下がっている。

17:21通過

虎縄を利用して下に降りれる。

ざぶざぶ対岸に移動

足首が気持ちいいのでしばしアイシング。

MTBを回収 チェーンのないMTBで下る天狗蔵君。

17:33 4分で最終堰堤から下ることができた。ダウンヒルが楽しかった。

お疲れ様でした。13時間以上の山行でしたが、やはり私は疲れました。感覚的には早月尾根よりもつらく感じた。

今回、構想4年の池ノ平山でした。登攀用具の準備をして行って本当によった。今回の成功は、やはり雑穀谷でロッククライミングの勉強をさせてもらった成果が出ていると感じる。今は連絡を取り合っていないが私の岩の師匠には心から感謝したい。もう少し、しっかりと練習していきたいとも感じた。

付き合ってくれた天狗蔵君には心から感謝したい。それにしても彼は体力がある。私がなくなってきたのか。年を考えた山行計画も必要のようだ。

 

“念願の「池ノ平山(北峰)」へ 大窓の頭からのアドベンチャーを満喫” への2件の返信

  1. ハード山行お疲れさまでした。
    いやー、強烈ですね。
    岩稜、ヤブ漕ぎ、眺望、懸垂下降、残雪など山要素満載でこれまでの経験がすべて試されるようなルートなのですね。
    かなり刺激もらいました、、、が今年は山は封印でいきます~

    1. なかなか大窓へいく決心がつかず、体力的な裏付けが持ててからと考えていました。ここまで好天もあり、ロング山行を積み重ねることができたので、このタイミングでのチャレンジとなりました。
      確実に偵察にはなりましたので、いつか北峰・南峰をつなげたいです。また状況が整ったところでコラボお願いします。

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