恒例の戸隠「中妻山」(仮称)からの滑降 10年目にして初めてのハプニング発生!

毎年恒例の戸隠・中妻山(仮称)へ。ここは滑降も楽しいが、バックに佐渡山・黒姫山・右横に妙高山を眺めながらの尾根ハイクを楽しむことができる。晴天であれば、高妻山と乙妻山の真ん中に位置する山頂からの眺望もいい。そんな中妻山からの滑降を楽しんだ後に、10年のBCスキーで初めてのハプニングが発生。頭が真っ白になってしまった。

今回のハプニングは、スキーを谷底に流してしまったことだ。中妻山からの滑降後、時間もまだあるのでもう1ラウンド行くことにし、斜面でスキーを外してシールを装着しようとした時に発生した。スキーを外して、流れ止めも外し、不注意にスキーを縦に置いてしまった。その瞬間、スキーは勝手に滑降。右の谷へ。思わず私も駆け出して飛びついたが間に合わず。10年目にして初めての失態だった。絶対にやってはいけない行為の一つ。失態が発生した要因を、客観的に分析してみる。

➀傾斜の強い斜面で、スキーを外したこと。
➁外したスキーを縦に置いたこと。
➂ストッパーを過信していたこと。
➃雪が湿雪で、ブレーキが利かなかったこと。
➄滑降の楽しさ、眺めの良さに有頂天になっていたこと。等だろうか。

要するにBCスキーに対する。リスクマネジメント(損失などを回避または低減をはかるプロセス)不足としか言えない。

ウィキペディア(Wikipedia)には、
リスクマネジメントとは、リスクを特定することから始まり、特定したリスクを分析して、発生頻度(発生確率possibility)と影響度(ひどさ、severity)の観点から評価した後、発生頻度と影響度の積として求まるリスクレベルに応じて対策を講じる一連のプロセスをいう。また、リスクが実際に発生した際に、リスクによる被害を最小限に抑える活動を含む。

と記載されている。これを読んで考えたことは、「どれだけ注意深く行動をとっていても、どこかで発生するだろうアクシデント。」と考えておく必要がある。もしかすると片足一本で帰ってこなければならなかったかもしれない。

今回は、スキーを奇跡的に回収することができた。スキーが猛スピードで樹にぶつかり破損する可能性もあった。少しだけストッパーが曲がった状態だったが、回収後は、問題なく滑降・ハイクを行って帰還することができた。

スキーが流れた谷は、南斜面で雪が相当緩み、ツボ足で下っていくのに大腿部まで雪に埋もれてしまう状態になっていた。天狗蔵君が、ストッパーの跡をたどって、谷底まで下りて捜索してくれた。おそらく標高差200m以上は流れていたものと推測できる。結局谷のボトムに横たわっていたそう。その後、谷底からスキーをザックに1本括り付けてハイクしてくる彼の姿が本当に神々しく見え、頼もしいパートナーと一緒に行動できていることに感謝したい。

合流後は、少し上がったところで昼食を摂った。食事をしながら彼がポツリと、「スキーを探しながら下った谷の滑降が、一番楽しかったかも。」とつぶやいてくれた。おそらくこの言葉は、私に対する気遣いでしかない。彼に余分なハイクをさせたことや、山頂からもう1本滑降できた時間をなくしてしまったことに、私は、恐縮していた。それを察知して言ってくれた言葉だ。改めて感謝したい。

今回の行程

6:08 大橋を出発。雪面が異常に硬い。ここ戸隠でも雨が降り、しっかりと水分を吸収した雪が、朝の冷え込みで固まった状態になっている。これ以上雪が沈んでいかないところまで沈んでしまったようだ。

7:05 佐渡山への尾根に取りつく場所で、早々とクトーを装着する。クトーがないと上がれない斜面も出てくる。これからのシーズンは、クトー・アイゼンは常備しておく必要がある。

7:36 佐渡山鞍部を通過。シールを装着したまま下っていく。硬い斜面なのでシールが付いていてもよく滑る。沢の渡渉も無事に行い左岸をハイクしていく。

8:02 中妻山からの谷に到着。ここまで約2時間は早いように思った。前日の雨が影響しているのか樹々の枝に霧氷が付着して幻想的な風景を作っている。先週の八方とは違って、私達2人だけで自然に溶け込むことができている。至福の時を過ごすことができた。

8:24 谷間をハイクしていくと、右岸の斜面が大きく崩落し、大きなデブリが見えてきた。この時期によくここを通過しているが、ここまで右岸の斜面が崩れている光景を見たことがなかった。これを見た天狗蔵君が「谷間をやめて尾根に上がろう。」と提案してきた。その案に同意して目の前の小さな谷間をハイクしていく。硬くしまった斜面に私のクトーの効きが悪い。慎重なハイクが続いた。

8:49 尾根ハイクスタート。やはり谷間と違い眺めがいい。左に高妻山への稜線を見ながら、右を見ると妙高山、後ろは佐渡山から標高をあげていくと黒姫山が見えてくる。

9:43 細尾根を通過。気温も上昇して、二人ともハードシェルを抜いてのハイクが続く。

10:15 広々とした大斜面が目の前に広がってきた。さあ今日は何処を滑ろうか。思案しながらハイクしていく。天狗蔵君のテンションも高くなってきた。太陽があたっている、南斜面は雪がシャーベット状になってきた。北斜面側はやはり硬い。

10:55 中妻山(仮称)に到着。約5時間のハイクだった。2019年3月3日に同じ場所に来ているが、その時は、5時間37分かかっていた。それから比べると早い。滑降準備に取りかかる。

11:13 滑降開始。2ターンほど雪は硬かったが、その後は、薄いシャーベット状のよく滑る雪を味わいながら滑降していく。目印の樹までいつもより大きなターン弧を描いて滑ることができた。天狗蔵君も降りてくる。もう1回ハイクすることになり、スキーを外した瞬間の出来事だった。

その後はスキーを探しに谷に下りていく。天狗蔵君は滑って捜索に行ってくれた。スキーが見つかったとの連絡があり、谷底からザックにスキーを1本差して戻ってきてくれた。

12:04 天狗蔵君からスキーを受け取り、少し上がって昼食を摂ることにした。食事をしながら、今回のミスを冷静に考えていた。

12:40 滑降準備をしてハイクしてきた尾根に滑り込み、そのまま横滑りとターンを交えながら、一度も止まらないで降りていく。約2時間かけてハイクした尾根を、約7分で滑降。

12:51 シールを貼り直して再びハイク開始。佐渡山鞍部を目指した。風もなくポカポカとした穏やかな中のハイクは、疲れを感じさせない。私達も強くなっているのか、初めてこの山域に入ったときは、帰りの鞍部までの登りが地獄に感じていた。

13:34 佐渡山鞍部に到着。シールを外して滑降開始。硬かった雪も適度に緩み滑降しやすくなっている。これぐらいに滑る湿雪であればOK。一気に林道まで下りていく。帰りは本当に早かった。滑る雪質に助けられ、佐渡山鞍部から1時間30分かかってハイクした距離を、13分で下った。

13:53 大橋に到着。いろいろアクシデントがあったが、無事に戻れたことに安堵し、滑降や眺望等に満足できるBCスキーとなった。ここ、中妻山では、肉離れを起こして痛い足を引きずりながら帰ったことを思います。今回も大きな教訓を与えてくれた。アクシデントをこれからの山行に活かしていきたい。

メンバー:天狗蔵君・レッドバロン 総山行時間:7時間45分

往路:4時間47分 山頂滞在:18分 復路(スキー捜索・昼食含む):2時間40分

6:08 大橋スタート

霧氷

6:41 黒姫山との分岐点通過

雪が硬くクトーを装着

7:05 尾根に取りつく

佐渡山の霧氷が面白い。

鞍部に向かってトラバース開始。

ダテカンバの大木

鞍部に到着

7:36 シールを装着したまま下っていく。

テントが張ってある。

シールでも相当スピードが出る セーブするのが大変

渡渉できる場所を探していく

上手く渡渉できた

佐渡山の霧氷

中妻山からの谷が見えていた

大きなデブリを発見。 谷ハイクをやめる

小さな谷筋を発見

谷筋から尾根に上がることにする。

右側には、妙高山が見える

バックは黒姫山

楽しい尾根ハイク

妙高山を見ながらハイク

黒姫山がきれい 手前が佐渡山

パンを食べて小休止

面白い! フェイスブックに写真を載せて教えていただきました。

「ぶら下がっている灰緑色の糸状のものをさしているのでしょうか。これはサルオガセという地衣類(苔の仲間)です。」教えていただき本当にありがとうございました。

「霧藻」という日本名があるそうです。霧の深い森に多く、奥秩父の三峰山の奥には、「霧藻ヶ峰」という山名とか。初めて知りました。

地衣類は、藻類と菌類の共生体なので単純な種類分けは難しいそうです。「サルオガセ」の中にも数十種あるようです。これからは、新たな目で自然界を観察していけそうです。

大きく底雪崩の跡がある。いつもはここまで崩れていない。

9:43 細尾根を通過

大斜面が見えてきた

黒姫山が下に見えてきた

大斜面をジグを切りながらハイク

テンションが上がってきた天狗蔵君

空の色がやばい

下に戸隠スキー場が見える

どこを滑ろうか思案中の天狗蔵君

10:55 中妻山に到着 後ろが高妻山

北アルプスが綺麗

黒姫山にむって滑降       YouTube動画  ↓

最初に滑降 大斜面を落ちていく

天狗蔵君も気持ちよさそう

この後アクシデント発生

スキー捜索に下りていく天狗蔵君

楽しそうな斜面だった

天狗蔵くんが見つけてくれた。

片足がさみしい

スキーを背負って上がってきた

本当に頼もしい。 感謝の言葉を何回も言った。

両足が揃った

少し上がったところでお昼にすることに

濃厚カレー味

締めはコーヒーで

12:40 ハイクしてきた尾根に戻り、そのまま滑降

さあ 帰りましょう 両方のスキーがあることに感謝

上着を着ないで滑降できた。

一度も止まらない天狗蔵君

一気に谷の入口まで滑降

12:51 シールを貼りなおす

左が下りてきた尾根 いつもの谷はデブリで進入禁止

のんびりハイク開始

渡渉地点を探してうろうろ 私は早々と渡渉に成功

鞍部をめざす

13:34 鞍部到着 滑降準備に取りかかる

良く滑る雪

いつもはスキーのまま通過できる場所に雪がない

林道をぶっ飛ばす

13:48 分岐点通過

13:53 大橋に到着 アクシデントを乗り越え、無事に生還といった感じ。天狗蔵君本当にありがとうございました。

 

“恒例の戸隠「中妻山」(仮称)からの滑降 10年目にして初めてのハプニング発生!” への2件の返信

  1. おじゃまします。
    小生、57歳で今シーズンから山スキーを始めました。
    25年ぶりのスキー、ゲレンデスキーしかした事がありません。
    レッドバロンさんの詳しいレポート、とても参考になり感謝しています。
    レッドバロンさんのような上級コースにはまだ行けませんが、安全対策や失敗談など、本当に為になる情報ありがとうございます。
    岩の上から転落したり、滑落して怪我をしたりしてとても痛かったですが、山スキーは本当に楽しいですね。
    いつかはレッドバロンさんのように自由に滑り回れるようになりたいです。
    これららもご活躍を期待します。

  2.  小生さんとお呼びすればいいのか?すいません。コメントありがとうございます。25年ぶりにスキーを始まられたとか。いいことです。私はこのブログスタートと同時ぐらいにBCスキーを始めました。今年で10年目でしょうか。スキーはそこそこ滑れましたが、BCスキーは本当に初心者で、今から考えると恥ずかしくなります。ただ、少しずつですが自分なりに基礎スキーとBCスキーを同じように考え、ゲレンデで学んだ技術をBCスキーでも活かすことができてきました。楽しさは、まったく別物と考えています。おそらくBCスキーをやっていなかったら、基礎スキーも中途半端になり、今のように滑ることはできないと思います。是非、両方の道具を準備して、欲張って両方やっていきましょう。
     私のBCスキー仲間にも、いっさいゲレンデスキーをやらない者もいます。どうしてもスピードレベルが上がってきません。彼は山の新雪の中でもっとカッコよく滑りたいと考えていますが、壁にぶつかっています。山の中で安全に滑降、カッコよく滑降する。そんなトータルとしてのスキーヤーを目指したいものです。
     どこかの山域でお会いした時は、是非声をかけてください。日曜日に乗鞍岳で雪崩がありました。是非三種の神器(ビーコン・スコップ・ゾンデ)にココヘリも加えて安全配慮に心がけてください。ビーコンの使い方も大切です。もっと大切なのは、雪面の安全を肌で感じることができる感性(第六感)とでもいいましょうか。「この斜面 ヤバいかも」と感じれるかどうかです。常に注意し私達もハイクしています。お互い安全なBCスキーを楽しみたいものです。今回、コメントありがとうございました。

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