10月の第一週の土日は、剱岳の紅葉が一番いい状態となる。台風が、太平洋側を通過して、土曜・日曜と好天が約束された。高気圧が日本の真上に停滞するのが日曜日とのこと。今回、初めて剱岳に登りたいと言っていた、若者と片やんの三人での1day山行を行うことにした。
S鷹君から、以前から「剱岳に登りたい。」との要望を聞いており、今回一番いいタイミングで案内することができた。S鷹君は、我が息子達よりも若い、元走り高跳びの選手。脚力は、大丈夫と判断。いろいろ持ち物等をアドバイス。彼の父親も登山が趣味とのことで、父親からもいろいろ指導を受けてきたようだ。体力的には、彼が上であるが、危険回避の方法をアドバイスしながら案内することにした。
1day山行は、基本12時間行動となる。初めてということで、登りは6時間30分。下りを5時間30分を想定。全体にスローペースを心がけることにした。
3:30頃馬場島に到着。やはり駐車スペースは残っていない。白萩川の方面に移動して駐車。ヘッドライトを点けてのスタートとなった。
3:49登山口をスタート。いつものことだが、一気に急こう配を上がっていく。S鷹君もしっかりついてくる。今日は、三名なのでペース配分はやがり遅め。息が上がらない程度のスピードをキープしていく。この時期は、気温も低いので汗ばむことがない。
4:20 松尾平を通過。ここまでおよそ30分。いいペースをキープできた。馬場島の標高が750m。松尾平が約1000mとすると標高差250mを30分ペースとなる。これをキープすることを心がけていきたい。
4:39 立山杉の有名な老木前を通過。昨年よりもまたまた朽ち方が進んでいる気がした。この老木が雪で倒れるのも時間の問題かもしれない。
5:22 標高1400mの看板の前を通過。空も少しずつ明るくなってくる。今日は晴天が約束されているので、先ずは、猫又山の山頂に太陽があたり始める。それが待ちどおしい。
6:08 猫又山が赤くなってきた。それを眺めながら急登を進むと、標高1800mの看板に出くわす。この時間帯になるとヘッドライトはいらなくなる。ペースを守って登っていく。
6:34 三角点を通過。S鷹君は、三角点が何の目的で設置されているのか知らなかったため説明。映画「剱岳点の記」について話していると、「俺の母さんその映画にエキストラででていた。」とのこと。思わずびっくり。日陰になっている場所の植物に霜が降りている。やはり夜の冷え込みは0度を下回っているようだ。
6:58 池塘を通過。この辺りから紅葉がはっきり見れるようになってくる。下山してこられたオジサンが、「上の紅葉素晴らしいよ。」と一言。期待が一層高まってくる。
7:17 樹林帯から早月小屋のヘリポートに出る。目の前に素晴らし眺めが飛び込んでくる。ナナカマドの赤や山もみじの黄色が、最盛期となっている。来週になると、おそらく散っているように思われる。
7:23 早月小屋のベンチで休憩。エネルギー補給をして、ウインドブレーカーを着こむ。やはり日陰は寒さを感じた。
7:34 早月小屋を出発。ここからが紅葉と岩場の登りとなる。3人ともペースを守っているので、疲労感はそれほどない。私的にも余裕を持ってのハイクとなっている。(余裕があるときにもう少しエネルギー補給をすべきだった。下りになってエネルギー切れとなった。)
8:04 標高2400m看板前を通過。ここでヘルメットを着用。尾根の左側を進むので、霜柱が立っている場所も出てくる。
9:17 標高2800m看板前を通過。いよいよ本格的な岩稜帯のハイクとなる。S鷹君は少々興奮気味。若いだけあって楽しそうだ。今回、父親から剱岳の厳しさをしっかり伝授され、持っていくものや、食事等においても細かく指示を受けてきたとのこと。安全に配慮しながら登っていく。注意したのが、人とすれ違う時の待機場所。思わず崖側で待機していたりする。臨機応変に対処すべきだが、「もしここで足元が崩れたら。」をいつも頭の中に入れておく必要がある。
9:44 「蟹の鋏」を通過。通過後の尾根が細くなっている。鎖場の連続帯に突入していく。
9:55 左側の登山道から右側の登山道へ。目の前に剱沢から遠くは薬師岳・笠ヶ岳までが一望に広がっている。S鷹君にこの景色を見せたかった。彼も大満足。後は、岩場を山頂へと向かうのみ。360度のパノラマを満喫しながら、今年も剱岳に来れたことに感謝・感謝。雲一つない好天にも感謝。
10:05 剱岳山頂に到着。6時間16分での到着となった。想定したハイク時間でクリアーできた。山頂は思ったほど混雑しておらず、剱沢をバックに看板を持って写真を撮ることができた。その後は、山頂でマッタリと食事。風もなく太陽を浴びると暑いぐらいだ。いつもの食事を済ませる。
10:59 下山開始。いつまでも山頂に居たいが、帰りの時間を考えると、やはり11:00頃には下山を開始したい。後ろ髪をひかれながら降りていく。少し下がったところで、S鷹君がすれ違う人を避けようと右に移動したとたん、足元の岩が崩れて滑落しそうになった。思わず肝をつぶす。彼の反応も良かったので事なきを得たが、やはり危険回避行動にまだまだ甘さがある。彼にとっていい教訓となった。前半の鎖場は、やはり上がってくる人を優先させるため時間がかかる。
12:12 標高2600m看板前を通過。まだまだ脚には余裕があり、今日は快調に下れそうな気分。(この余裕が命取り)
12:44 標高2400m看板前を通過。快調な下りが続く。
13:06 早月小屋に到着。山頂から約2時間少々だった。思った以上に時間がかかってしまった。小屋前のベンチでエネルギー補給(カロリーメイト等の補給が必要だった。ピーナッツ系を少し食べたのみ。これが後で響いてくることに。)ここまで余裕があり、突然訪れる「シャリばて」に対する配慮がなかった。何度来ようと剱岳山行は勉強させられる。
13:20 ヘリポートから樹林帯へ。紅葉もどんどんなくなり、会話の回数も減ってくる。(疲れていることも原因)
14:01 三角点を通過。まだまだこの辺りの登山道にはぬかるみが残っている。登山靴に泥が付着し、岩場でそれが原因で滑って転倒。少々脇腹を打撲してしまう。(後ろにいたS鷹君はびっくりしたことだろう。)この辺りからストックに頼りがちになっていたことを反省する。確実に大腿部に力が入らなくなってきていた。バランスも崩しやすくなってきている。
14:59 標高1400m看板前を通過。いつも感じるが、標高1600mの看板から、ここまでがあまりにも近すぎる。200mの標高差を10分ではクリアーできないはずだ。
15:23 標高1200m看板前を通過。ここまで24分かかっている。これぐらいが正しいように思う。この辺りはもうふらふら、ヘロヘロ状態。即効性のあるゼリー等を持ってきておくべきだった。後ろから来る若者が、滑るように降りていく。その脚力は私にはなくなっている。片やんも急な場所はクライムダウン(後ろ向きで降りる)している。彼も相当脚にきている。元気なのは、やはり若者のS鷹君。余裕がありそうだ。
15:52 松尾平を通過。気温も上がり、3人の口数も少なくなっている。疲労困憊であることは間違いない。(マラソンで35km地点で急に走れなくなる現象。)後は、気力で降りていく。(まさしく試練を身体で体験)
16:18 登山口に到着。少々脇腹に痛みのあるが、打撲と勝手に判断。「憧れと試練」の石碑の前で写真を撮って剱岳1day山行終了となった。毎年の恒例山行だが、素晴らしい紅葉と下りの辛さ。「行きはよいよい帰りは怖い」教訓がたくさんの山行となった。
メンバー:S鷹君・片やん・レッドバロン 総山行時間:12時間29分

往路(早月小屋休憩含む):6時間16分 山頂休憩:54分 復路(早月小屋休憩含む):5時間19分


3:43 駐車場所スタート 登山口に移動

3:49 登山口スタート

4:20 松尾平通過

いつ来ても何か出そうな暗闇の世界。

4:39 立山杉の老木を通過

パワースポットだったが、だいぶ力がなくなった気がする。朽ちて折れたところもある。

早月尾根特有の根っこ階段を上がる。

4:54 1200m看板を通過

5:22 1400m看板を通過。

だいぶ明るくなってきた。

猫又山山頂に光が当たる。

1600m看板を通過。

標高差の激しい登りが続く。

6:08 1800m看板を通過。

太陽があたる範囲も増えてくる。

大日岳方面も見えてきた。

6:34 三角点を通過


やはり朝は冷え込んでいる。霜が降りている。

ダイニチアザミ まだ花が咲いている。

6:50 2000m看板を通過


紅葉も増えてくる。

6: 58 池塘を通過。 この辺りから紅葉。




紅葉にS鷹君も大満足。

7:17 ヘリポートに到着 太陽が正面にあり、逆光でいい写真が撮れない。

7:23 早月小屋に到着。 エネルギー補給と休憩。

7:34 早月小屋スタート。

登山道が崩れて新しくなっている。しっかり整備されている。

昨年まではここを下っていた。崩落が進んだよう。


大日岳方面

室堂方面 右の山は奥大日岳 下は立山川 上がったところが室堂乗越。

二人とも稜線歩きが楽しそう。

シラタマノキ 高山植物もそろそろ終わり。

8:04 2400m看板を通過。ここでヘルメット着用。

そろそろ岩稜帯の登りとなってくる。


太陽の日差しがきつい。 写真の露出を変えてみる。

急なハイクが続く。

8:35 S鷹君は楽しそう。

8:38 2600m看板を通過。

長く雪が残る場所。まったく跡形もない。

チングルマも紅葉。


奥大日岳よりも高い場所を通過。

左側は、毛勝三山。やはり三山より高い場所。

今回の山行で初めてのゴロー登山靴愛好者

写真から勾配のきつさが分かる。

片やんが下から撮影。

隣の小窓尾根。その向こうに白馬の山々が見える。

這い上がって登る。


9:17 2800m看板を通過。いよいよ鎖場がでてくる。山頂はすぐそこ。

片やんは疲れた様子。 S鷹君は余裕しゃくしゃく。

S鷹君も写真を撮りまくっている。


二人目のゴロー登山靴愛好家と遭遇。この黒い川もいい。私と同じだが黒だと重厚感がある。隣の彼女は「私も履いてくればよかった。」と一言。次回お願いします。



9:37 いよいよ鎖場へ。

鎖場の途中でゴロー登山靴の二人と遭遇。足元は昨日振った霰が固まったもの。この古めかしいのもいい。(ブーティエムのフック違い)

9:44 蟹の鋏を二人が通過中。

無事クリアー(当たり前か)


鎖場を進む。

今日の核心部。もう少しでクリアー。

核心部を抜けるとこの眺めが待っている。

10:05 山頂に到着。昨年は行列ができていた場所で記念撮影。


三人で祠の前で。

この眺めを見ながらマッタリ食事。



右端から鹿島槍ヶ岳南峰・北峰 今年クリアーした八峰キレットと繋がって五竜岳。唐松岳といって不帰ノ嶮から白馬鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳と続く。

お決まりの昼食。今回は手作りおにぎり持参。

二人も食事開始。


デザートも持参。

カップ麺いただきます。

最後はコーヒーで締めくくり。

10:59 祠の裏から下山開始。


下に核心部の鎖場が見える。


核心部の鎖場クリアー。


11:24 蟹の鋏へ


ガンガン降りていく。

これから上がっていく人も多い。

11:40 2800m看板を通過。


12:44 2600m看板を通過。

小窓尾根をバックに自撮りするS鷹君。




紅葉がすごいことになっている。

紅葉と小窓尾根。

太陽があたって広葉樹がよく育っている。

12:44 2400m看板を通過。




早月小屋が見えてきた。


13:06 早月小屋に到着。

ベンチで休憩。

ここからの紅葉が一番。

13:20 ヘリポートから樹林帯へ。紅葉ともおさらば。

13:40 池塘通過。

13:50 2000m看板を通過。

14:26 1800m看板を通過。

オオカメノキ

14:49 1600m看板を通過。相当疲れてきている。右脚に力が入らない状態に。やばい!

14:59 1400m看板通過。200mを10分は無理でしょう。

15:23 1200m看板を通過。 もうヘロヘロ。気温も上昇。

15:40 立山杉の老木前を通過。

昨年よりも下がった気がする。気のせいか。

ぬかるみが多い。

15:52 松尾平を通過。

大窓を振り返る。

最後の下りが長く感じる。

整備されているが急。

登山口の看板が見えてきた。

16:18 登山口に到着。 「憧れと試練」の石碑の前で記念撮影。

途中転倒による肋骨の軽い打撲があったが、無事に生還できた。これも安全祈願儀式のおかげか。何度来てもその日の体調やトレーニングの頻度、山行回数等で剱岳1day山行の辛さが違ってくる。この山はごまかしがきかない山であることを改めて実感させられた。まだまだ修行が足りないようだ。


ワンデイ剱お疲れさまでした。
好天と紅葉のあたり日でしたね^^
上部の岩稜見てまた登りたくなってしまいました。
私は先週日曜に飯豊山という山形県の100名山のダイグラ尾根ピストンご来光登山をやりました。
ダイグラ尾根は早月尾根のような一直線に伸びる長大な尾根で、登山地図のルートが点線で示される難路です。実際もなかなかの難度っぷりで、しかもコース上に補助ロープが一切なく刺激的で楽しい山行となりました^^ 東北もいい山が結構ありますね^^
東北の山も紅葉が綺麗なんでしょうね。毎年恒例としている、剱岳・早月尾根山行ですが、年々後半のエネルギー切れが激しくなってきている気がします。確実に筋力・体力は低下していますね。
今年は、テント泊が多く、山行回数が減ったことも影響しているかもしれません。冬季に向けて、体力を維持していこうと思います。(もうなかなか高まらない年齢になってきました。)