晴天の毛勝山北斜面を滑降 大清水谷~東又谷へ 予想通り雪が少なく三階棚滝通過は過去に例のないアドベンチャー!

今週の山行予定では、立山山崎カール滑降を考えていたが、木曜日に地元片貝に行ったところ、片貝山荘まで車が入ることが判明。18:00からのスキークラブのシーズン反省会もあって、地元「毛勝山~大清水谷~東又谷周回」でさらりと残雪期のスキーを楽しむことにした。

ここ数日は、寒気が下りてきて気温も低め。全体に雪は硬く締まった状態になっていた。阿部木谷~ボーサマ谷は、この時期に雪が緩むと、左右の斜面から落雪や落石が多く発生する。危険ゾーン。今日は、まだ安全に通過できると判断した。

同じことを考える登山者は、居るもので、南又入口のゲートに車をデポして、毛勝山・釜谷山・猫又山を周回している登山グループもあった。(私達よりも2時間以上早く登山開始で、その姿を確認することができなかった。)

雪が硬くしまっており、アイゼンが気持ちよく効く日でだったようだ。私達のようにスキー靴にアイゼンを装着してのハイクは、意外と辛い。足首が曲がらないため、つま先立ちになることが多い。やはりハンディはあるようだ。

5:10 第五発電所下に到着。車を駐車してザックにスキー靴をくくり付ける。先ずは行けるところまでシューズでハイクすることにした。

5:20 重いザックを担いで、片貝山荘からスタート。先ずは、阿部木谷と東又谷の分岐点を橋を渡って右に進む。ここで桂の樹の大木(トトロの樹)にご挨拶。40年以上の付き合いとなっている。やはり例年から比べると雪が少ない。

5:53 セメントの橋を渡ったところで、雪が出てきてスキー靴にチェンジ。デブリランドの中を進んでいく。最終堰堤までは、雪が少ないもののスキーを外したのは2回のみ。どうにかスキー登行が可能だった。

6:53 1時間ほどで最終堰堤に到着。堰堤の上は、すごいデブリとなっている。年のよっては、まったくデブリがない年もあるが、今年は多い。不安定な天気で、寒くなって雪が降り、急激に暖かくなって積もった雪が崩れる。といったことを繰り返したように想像する。大きなデブリの中を大明神沢出合を目指す。

7:35 大明神沢出合を通過。通常はここから綺麗な斜面がでてきて、サクサクと標高を稼ぐことができるはずだが、細かなデブリの連続つなっている。今年は、阿部木谷のスキー滑降は、本当につまらなそうだ。雪が硬くてどんどんシールの効きも悪くなる。早くもクトーを装着しなければならなくなった。

8:35 スキーが滑って天狗蔵君に付いていけなくなる。はやくもアイゼン登行にチェンジ。天狗蔵君も大きな岩が転がっている場所で、アイゼンに交換していた。まだまだ遠いが、アイゼン登行は、相当負担が大きい。スキーをザックに括り付けると、15kgぐらいになっている。全身でこの重さに耐えながらのアイゼンハイクは、非常に厳しい。それでもスキーを担ぎ上げることで、帰りは天国が待っている。

9:54 毛勝山からの直下ルンゼの合流点を通過。いつもはこの辺りでアイゼンに交換だが、今日は、ここまで1時間30分近くアイゼン登行をしてきたので、相当疲れがたまってきた。アミノバイタルを1本飲む。

10:00 気持ちを新たに急斜面に挑んでいく。雪面はどんどん綺麗になってくるが、その分硬くしまった状態が続く。雪面はアイゼンの歯がよく効いてくれるが、なんせけり込めない。先行者のアイゼン後をたどって、天狗蔵君が登り始める。そうなるとほとんど直登状態(登山靴での登行なので直登となる)。大腿部が徐々にやられてきた。

10:07 急に天狗蔵君がザックを下して「脚攣ってきた。やばい。」と言ってアミノバイタルを出していた。彼も私と同じようだ。それでも前を行く彼との距離が離れ始める。

10:40 大きな足跡が斜面を横切っている。熊の足跡だった。直径が10cmほどだろうか。「熊さん出て来るな。」と大きな声を上げる。

10:54 左側に大きな岩がでてくる。ここから徐々に傾斜が緩くなっていくが、急に両方の大腿部の内側の縫工筋が痙攣をおこし始める。塩分タブレット・アミノバイタル・しっかり水分補給して小休止。天狗蔵君が見えなくなってしまった。その後も痙攣を何度も繰り返しながらも、どうにかコルを目指していく。

11:10 コルに到着。やはり何度来ても素晴らしい眺めが飛び込んでくる。剱岳から後ろの鹿島槍ヶ岳・五竜・唐松岳・杓子岳・白馬岳等が一望だ。少し休憩を入れると痙攣もおさまってきた。スキーをザックから外してスキー登行にチェンジ。ザックが軽く感じて仕方がない。ここからは快調に毛勝山山頂を目指す。

11:32 毛勝山山頂に到着。看板も綺麗に出ている。山頂のお地蔵さんには、日本酒がお供えしてあった。風もなく穏やかな状態なので、山頂でいつものお昼を食べる。

12:04 毛勝山山頂から北斜面でとなる西北尾根を滑降していく。前半の雪面はやはり非常に硬いので天狗蔵君は慎重に横滑るで下っていった。彼のスキーはパウダー用なのでテールのかかりが悪そうだ。今日のような雪だと私のK2ウエバックは、テールの抑えが効いて滑りやすい。

12:12 西北尾根を単独で上がってこられた登山者にご挨拶。彼が阿部木谷で大きな音がしていたと伝えてくれた。言葉を交わし、安全登山を誓い合ってお別れした。この後大清水谷に下っていく。雪もどんどん緩み、よく滑る最高のシャウダーになってきた。

12:14 天狗蔵君が止まらずに一気に大清水谷を滑っていく。気持ちよさそうだ。その後、彼のシュプールにシンクロさせながら私も一気に下っていった。気持ちがいい。デブリもほとんどない斜面は天然のスキー場状態だった。

12:18 広い東又谷をゆったりと滑降していく。作之丞谷の近くなってくると雪が確実に少なくなってきた。

12:31 目の前が真っ暗に。雪が確実に切れている。浅い場所を見つけて、石から石に飛び乗りここはどうにか濡れないでクリアーできた。

12:40 作之丞谷との合流地点に到着。確実に逃げ場が亡くなった。川の中を渡渉しない限り前に進めないことが判明。覚悟を決めてザブザブと渡渉していく。

12:59 三階棚滝の手前にもやはり渡渉がでてくる。ここまで来ると水の中に入るのは平気だが、段差があり確実に沢下り状態。天狗蔵君が「スキー靴の裏にフエルト張ったやつ買わんなん。」と冗談を飛ばしてきた。膝まで水につかり、ぬめりのある岩盤の渡渉に成功。(本当は滑らないか不安で仕方がなかった。)

13:11 ここまで4回の渡渉(沢下り)をして、ようやく三階棚滝の高巻ポイントに到着。ここは、スキー靴で一回通過した経験がある。秋に登山靴でも3回ほど通過経験があるので、様子は分かっている。その昔はトラロープが1本だったが、今回は3本ほどぶら下がっている。ありがたい。天狗蔵君がザックにスキーを括り付けた状態で上がっていく。その様子を少し離れて見守る。次は私の番。同じようにロープにぶら下がり、腕力と足場の悪い場所にスキー靴の先端をひっかけながら上がっていく。そしてクリアー。今度は下りだ。ここもロープが2本あり、ロープを頼りに下っていく。

13:26 15分間の高巻きだったが、クリアー。三階棚滝の全様を写真におさめたが、滝つぼが亡くなり浅くなっている。25年ほど前に来たときは、青々とした水を湛える大きな淵があった。年月とともに地形も変化している。その後は、右側を藪漕ぎしながら斜面に沿て下っていく。

13:47 広く開けた場所にでてきた。天狗蔵君の顔に安堵の様子がうかがえる。二人でどうにか下りてこれたが、何度もこの場所を通過して、地形の特色が分かっているからクリアーできた。

14:14 取水口を通過し、橋を渡ったところで林道に雪がでてきた。またまたスキーを装着して滑降していく。左岸から右岸に渡る橋で終了となった。

14:42 スキー靴からシューズに履き替える。脚が解放感で気持ちがいい。スキー靴の中は水がしみてズブズブ状態だが、意外と平気だった。(長いBCスキー経験の中で初めてだった。)この後は、徒歩で片貝山荘を目指す。

15:20 片貝山荘横の駐車場所に登着。ジャスト10時間の山行となった。

今回の山行は、おおよそ予想された展開だったが、想定外は、三階棚滝までに4回の水没渡渉があったこと。ここまで雪が溶けているとは予想がつかなかった。しかし、毛勝山の西北尾根から大清水谷・東又谷滑降は最高に気持ちよかった。私的には、南又の滑降よりも快適で楽しかった。天国と地獄を味わった山行だった。ただ、このような山行になってはいけないように思う。一つ間違えば大きな事故になりかねない。今回クリアーできた要因をまとめると、➀何度もココを通過している経験があること。➁沢登りの経験があり、水の中でも足場が確保できること。➂重いザックを背負っても負けない体力があること。➃ザックを背負ってロープにぶら下がりながら登れる腕力があること。などの要因があげられる。二人で帰りの道中。「もうこんな山行はしたくないな。」といった感想が出てきた。無事に帰れた安堵感と変な達成感が湧き上がった山行となった。

メンバー:天狗蔵君・レッドバロン 総山行時間:10時間00分

往路(片貝山荘~阿部木谷~毛勝山):6時間12分 山頂滞在(昼食):32分 復路(毛勝山~東又谷~片貝山荘):3時間16分

片貝山荘標高:683m  毛勝山標高:2,415m

5:20 片貝山荘の横をスタート。

僧ヶ岳の登山道前を通過。

大きな桂の樹にご挨拶。

5:32 毛勝山への西北尾根登山口前を通過

5:53 セメントの橋を通過。

渡ったところでスキー靴にチェンジ。

6:21 取水口を通過。

6:52 最終堰堤を通過。

堰堤を通過すると大きなデブリがでてくる。

硬くしまったデブリに苦戦。

7:35 大明神沢との出合を通過。

大明神沢 ここでテントを張っているが、デブリで覆われている。

この後も足場が悪い中を進む。

7:54 やっと少し綺麗になった。

デブリでガタガタ。

8:19 右のナワタケ谷出合を通過。

ここから左の谷が「ボーサマ谷」となる。

8:39 アイゼンを装着する。

8:44 まだまだ気が遠くなる距離が残っている。

9:36 上から撮ってもらった。

アイゼンの歯しか刺さらない斜面。

9:54 徐々に傾斜がきつくなる。

10:07 ザックを下してアミノバイタルを取り出した天狗蔵君。痙攣が来たみたい。

先行の登山者が付けてくれたステップ。

10:22 ステップは、右の谷に伸びている。下から「コルは左。」とアドバイス。

傾斜が一番急な場所。下は見れない。

上からの写真。

熊の足跡を発見。

10:48 僧ヶ岳か~駒ヶ岳が下に見えてきた。

10:54 大岩に差し掛かったところで、両足に痙攣が。

傾斜が緩くなってきたが、脚が痙攣して前に進めない。

コルの手前でお休み中のレッドバロン。

11:10 コルに到着。

右から鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳

ここからの剱岳もいい。

毛勝山へスキーで。脚は急に楽になる。

右に釜谷山・猫又山 奥に剱岳。

毛勝山の山頂が見えてきた。

11:32 毛勝山山頂に到着。

山頂でお昼にする。

今日はこれ。シンガポール風ラクサ 世界の味でした。

我が家の方に向かてコーヒー。

12:04 滑降開始。

硬い雪面を横滑りで。確かめながら降りていく。

雪面がだいぶ柔らかくなってきた。

シャウダー状態になってきた。

毛勝山の北斜面。

西北尾根を上がってこられた方とご挨拶。

12:14 大清水谷を滑降する天狗蔵君。止まりません。一気に行ってしまいました。

私も行きます。

 

東又谷へ下りていく。

滑ってきた大清水谷。最高!

緩斜面が続いています。

滑ってきた東又谷。

緩斜面をゆったりと滑降。気持ちよかった。

12:27 ここからが今日の核心部。果たして雪が繋がっているのか。

12:43 スキーを担いで移動。

危険ゾーン突入。

雪が切れている。

川の中を渡るしか方法無し。

膝上まで浸かってスキー靴で渡渉。ぬめりのあるやばい岩盤クリアー。

13:06 やっと三階棚滝が見えてきた。

三階棚滝の高巻コース。ロープが下がっている。

天狗蔵君がロープに使って上がっていく。

足場が悪く苦労している。この後私も同じようにしてクリアー。

今度は下り。ここもロープがある。

高巻終了。三階棚滝の全様を見に行くことに。

これが全容。真ん中の大きな岩も下に落ちそう。

その後も滝が続く。右の斜面を通過していく。

左に行った天狗蔵君を大きな声を出して、こちらに呼び戻した。左側は通過できない。

右側の藪の中をかけ分けながら降りてきた。

13:46 だいぶ開けてきた。

安堵の天狗蔵君。

14:04 工事中の新堰堤を通過。

ヤマザクラを見る余裕が出てきた。

14:14 取水口を通過。

橋を渡って雪がでてきたのでスキーを装着。

14:42 左岸から右岸に林道がなったところでシューズに変更。

林道を歩いて片貝山荘まで。

昨年の8月の大雨で流木が溜まっていた場所。綺麗に取り除かれている。

昨年の8月はこんな状態だった。

15:13 阿部木谷との分岐点となる橋に到着。これで周回完了。

15:20 駐車場所に到着。お疲れさまでした。顔には達成感が満ちている。よく戻ってこれたと一安心。ほんとうにアドベンチャーでした。

“晴天の毛勝山北斜面を滑降 大清水谷~東又谷へ 予想通り雪が少なく三階棚滝通過は過去に例のないアドベンチャー!” への4件の返信

    1. 今年は、雪が少ないですが、5月14日あたりは大丈夫だと思います。計画しましょう。平日は休めませんよね。今日、天狗蔵君は立山行ってます。

  1. こんにちは!
    毛勝からの3段滝やったのですね。
    懐かしく感じましたが、今回は雪が少なく、ドキドキでしたね。
    膝まで入っての渡渉は、難しい判断と思いました。

    私はGWに飯豊山系 梅花皮岳(かいらぎだけ)石転ビ沢の山スキーをやりました。2.3km、標高差1000mのドまっすぐな谷は、正に猫又谷のようでしたよ^^

    1. 週末山紀行さんと一緒に高巻したことを話していました。あの時は渡渉することなく三階棚滝に到達できましたが、今回は本当にやばかった。スキー靴でザブザブ渡るのは初めてでした。いい経験になったようです。状況判断が甘かったことも反省ですね。

レッドバロン へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です